本記事は、五百田 達成氏の著書『「誘える人」がぜんぶ手に入れる』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の中から一部を抜粋・編集しています。

「誘える人」がぜんぶ手に入れる
(画像=78art/stock.adobe.com)

最初は「とにかく誘いやすい人」を誘ってみる

いざ「自分から誰かを誘ってみよう」と思い立ったとき、一番初めにぶつかる壁が「で、誰を誘えばいいの?」という問題です。人づきあいを広げたい。でもやみくもに誘うのも気が進まない。そもそも誘える相手なんて、いたっけ……?

人を誘うことにまだ慣れていないうちは、まずはハードルの低いところから始めることをおすすめします。

憧れの人や、長年連絡を取っていない疎遠な友人をいきなり誘うのは、フレンチのフルコースをゼロからつくるようなもので、初心者にはハードルが高すぎます。
そうではなく、「冷蔵庫の余り物で、とりあえずチャチャッとつくる」くらいの感覚でいいのです。
「失敗してもいいや」と気楽に構え、まずは来てくれそうな人を誘うところからスタートしてみてください。

では、その誘いやすい人とは具体的にどんな人でしょうか。
それは「暇そうな人」「関係性が近い人」「すぐ返事をくれる人」です。この3つの条件が揃った、「この人ならまあ断らないだろう」と確信を持てる相手を選んで、まずはトライしてみることが基本になります。

とくに大きなポイントが、「暇そうな人」。
「せっかく誘うなら、みんなの憧れの的である人気者を誘いたい」と思うかもしれませんが、初心者は避けたほうが無難です。なぜなら、人気者は常にスケジュールが埋まっているからです。
勇気を出して誘っても「ごめん、今月は無理で」「来月もちょっと厳しくて」と断られる確率がどうしても高くなります。すると、あなたは「やっぱり私なんてダメなんだ」と勝手に傷つき、メンタルが削られ、疲弊してしまいます。

まずは、時間に余裕がありそうでフットワークが軽い、いい意味で「暇そうな人」を狙って、OKをもらう成功体験を積んでください。
また、「直近で連絡を取っている人」であることも良いポイントです。何年も連絡を取っていない久しぶりの人に「元気?」といきなり連絡するのは、どうしても心理的ハードルが高くなります。
相手にも「急にどうしたんだろう?」「何か裏があるのかな?」と警戒されるリスクがあります。だからこそ、日々連絡を取っている人や、直近でLINEのやり取りをした人を誘うのが一番簡単です。

たとえば僕の場合、SNSで友人の誕生日通知を見つけたら、すかさず「お誕生日おめでとう!」とメッセージを送るようにしています。そこで「ありがとう! 久しぶりだね」と返事が来たら、その1ターンのラリーを口実にして「最近どう? 月末にお茶でもしない?」と自然に誘い込むことができます。
このように日常の延長線上にいる人は、とても誘いやすいのです。その関連で「返事が早い人」も大事なポイント。なかなか返事が来ない人だと「どうしたのかな?」「誘い方がよくなかったかな」とあれこれ気をもんでしまうので、これまた初心者向きではありません。

また、「リスクが低い人を選ぶ」のも重要です。
リスクとは、「断られたり、逆に距離を縮めすぎたりしたときの気まずさ」のことです。たとえば、職場の直属の上司や後輩、あるいは仕事で密接に関わっている取引先の人。
もちろん、食事に誘って断られたくらいで、翌日から顔を合わせるのが気まずくなることはないでしょう。ただ、万が一関係がこじれたり、ハラスメントだと受け取られたりしたら仕事に実害が出ますよね。これは非常に「ハイリスクな相手」です。
初心者のうちは、こうしたリスクの高い本丸にいきなり挑んではいけません。
「断られてもまったく自分の人生に支障がない」「失敗してもノーダメージ」と思える、安全でリスクの低い相手を選ぶこと。

そうやって「誘いやすい人」で練習を繰り返し、自分の「誘う力」のアイドリングが十分に済んでから、少しずつ新しいつながりへと手を広げていけばいいのです。

「誘える人」がぜんぶ手に入れる
五百田 達成(いおた・たつなり)
心理カウンセラー。米国CCE,Inc.認定GCDFキャリアカウンセラー。東京大学教養学部卒業後、KADOKAWA、博報堂、博報堂生活総合研究所を経て、五百田達成事務所を設立。個人カウンセリング、講演、執筆など、多岐にわたって活躍中。専門分野は「コミュニケーション心理」「ことばと伝え方」「SNSと人づきあい」。会社員としての実体験と豊富なカウンセリング実績に裏打ちされた、人間関係、コミュニケーションにまつわるアドバイスが好評。「あさイチ」(NHK)、「ヒルナンデス!」(日本テレビ)ほか、メディア出演も多数。著書『察しない男 説明しない女』『不機嫌な長男・長女 無責任な末っ子たち』『話し方で損する人 得する人』『超雑談力』『不機嫌な妻 無関心な夫』『10歳までに身につけたい自分の気持ちを上手に伝える ことばの魔法図鑑』『会話IQ本当に頭がいい人の話し方』(以上、ディスカヴァー)はシリーズ120万部を超えている。文章・エッセイ教室「おとなの寺子屋」も好評。

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