「金利のある世界」の復活と軌を一にするかのように、地方銀行再編の狼煙(のろし)が今度は四国から上がった。

愛媛県地盤の伊予銀行を中核とするいよぎんホールディングス(HD)と、同じ県内の愛媛銀行が経営統合に踏み出す。今年に入り、すでに東海地区で2つの経営統合が動き出しており、地銀再編の“当たり年”の様相を呈する。

いよぎんHD・愛媛銀、来春統合へ

いよぎんHDと愛媛銀は7月24日、2027年4月の経営統合に向けた協議開始で基本合意したと発表した。持ち株会社のもとに伊予銀と愛媛銀を置く2バンク体制とし、現行の銀行名を維持する。総資産は単純合算で12兆6000億円を超え、全国で13位前後の地銀グループが誕生する見通しだ。

四国エリアの地銀再編は2016年、香川銀行と徳島銀行を傘下に置くトモニホールディングスが大阪市に本店を置く大正銀行(現徳島大正銀行)と統合して以来10年ぶり。

いよぎんHDは愛媛銀を株式交換で完全子会社化する予定。株式交換比率や統合後の持ち株会社の名称、役員体制などは今後詰める。

日銀による利上げをきっかけとして、預金獲得や貸し出しの競争が激化する一方で、人口・事業所数の減少など地域金融機関を取り巻く環境は厳しさを増している。こうした中、いよぎんHDと愛媛銀は経営資源の共有・統一化を通じた効率化やコスト低減を進め、事業基盤を強化する。

また、双方の地盤である愛媛県は造船・海運業、製紙業で全国トップクラスにあり、産業活力の保持・育成に向けた相乗効果の発揮も見込む。

四国2番手の百十四銀を総資産で倍以上引き離す

2026年3月期末の総資産はいよぎんHD9兆5398億円、愛媛銀3兆826億円円。いよぎんHDはかねて四国のトップ地銀の座にあるが、統合によって四国2番手で香川県地盤の百十四銀行(総資産5.8兆円)を倍以上引き離すことになる。

愛媛銀は愛媛相互銀行を前身とする第二地銀。かつての相互銀行は1989年から翌90年にかけて普通銀行に転換し、第二地銀となった。

M&A Online
(画像=愛媛銀行の東京支店(東京都千代田区)、「M&A Online」より引用)

実は、愛媛県内には当時、もう一つの相互銀行として東邦相互銀行があった。ところが、経営危機のために全国で唯一、普銀転換ができずにいた。この同行を吸収合併(1992年)したのが他でもない伊予銀だった。

伊予銀は2022年、持ち株会社制に移行。他の銀行との経営統合によらず、単独で「いよぎんホールディングス」を設立し、今日至る。