◉オリンピックの経済効果について

今回のオリンピックの誘致も、東京はスペインのマドリードやトルコのイスタンブールと争っていました。しかし、そもそもなぜ各国はオリンピックを開催したがるのでしょうか。一般的に言われているのは、その国の国威を掲揚したり国の発展のメルマークとなったりする為と言われています。

しかし、誘致すたり開催することにも多大なお金はかかるため批判的な意見もゼロではありません。
実際の所はどうなのでしょうか。簡単に過去のオリンピックでの経済効果なども振返ってみたいと思います。

① 東京オリンピック(1964)

1964年10月10日に日本・東京で開催された第18回夏季オリンピックは、アジア地域で初めて開催されたオリンピックであり、実は有色人種国家として史上初のオリンピックとなりました。当時の日本にとって、東京オリンピックは第二次世界大戦の敗戦からの復興を国際社会に対してアピールする意味合いも合ったといえます。合計約281億円を投入した国家プロジェクトとなりました。

また、東京オリンピックの開催は、経済協力開発機構(OECD)への加盟を認められるきっかけともなりました。
そして、競技施設や日本国内の交通網の設備に多額の設備投資が行われ、競技や施設を見る旅行需要も喚起されました。他に、カラー放送を見るためにテレビの購入も増加したため、日本経済に「オリンピック景気」と言われる好景気をもたらしたとされています。

②北京オリンピック(2008年)

北京オリンピックを通して、中国は巨大な経済効果を受けたといわれています。

野村證券の試算によると、2002年から2008年までの7年間で、オリンピック効果は中国に9600億元(約14兆8870億円)の経済効果をもたらし、中国の競技場整備、基礎施設の建設、観光者の増加などの直接効果および関連産業の需要増大などの間接効果を含めて、北京オリンピックの経済効果はアテネオリンピックの7倍以上であり、その中で、直接の経済効果は3081億元(約4兆7780億円)、間接の経済効果は6594億元(約10兆2260億円)に達したとされています。

また、北京オリンピック経済研究会によると、北京オリンピック期間の直接経済総収入は約20億ドル(約2123億円)であり、さらに、国家統計局と北京市統計局の報告によると、2005年から2008年の間、いわゆる「オリンピック投入期」で、北京市GDPの年平均成長率は11.8%で、「第十次五ヵ年計画期間」より0.8%引き上げられたといわれています。

③ロンドンオリンピック(2012)

今年(2013年)7月、英国政府は2012年に開催したロンドン五輪は同国に99億ポンド(約1兆5200億円)の経済効果をもたらしたと発表しました。これは、開催費用の89億2000万ポンド(約1兆3000億円)を上回っています。
なお、この経済効果の数字は五輪開催後の1年間に企業が締結した新規契約、売り上げの増加、外国からの新規投資の総額などでみた経済の押し上げ効果はなどを試算したものといわれています。

ただしアナリストらの間では、調査対象としたプロジェクトの一部について疑問視する声が上がっており、上記は過剰に見せる為の演出も含んでいるのではないかという疑念も上がっています。