【ストック⇒フロー⇒ストックの資金循環は日本以外の先進国では当たり前】

ただ、ここまで読んで、何か違和感を感じている方々も多いだろう。なぜなら、根本的に、この問題を解決するには国全体の資産が増加する必要性があるからだ。 そうでなければ、国民の資産を食い潰しながら延命治療をしているのと何ら変わりがないことになる。

経済の世界では、日本や米英等の先進国は“ストック”の国、経済成長豊かな国は“フロー”の国と呼ばれる。ロスチャイルドやロックフェラーなどが凄いのは、豊富なストックをフローに分散投資することで、資産を有効活用し、長年そのストックを増やし続けてきたことだ。その結果、英米に資金を還流させ、税収に貢献するという正のサイクルが出来ている。 世界でも最大規模の政府系ファンドを持つシンガポールやUAEなども、財閥と国という差はあれど、根本的な仕組みは一緒だ。

これこそストック資金の好循環であり、早くから内需経済に危機感を強めた日本以外の先進国が自然に行ってきたことだ。


【日本の課題の解決に向けて】

もちろん、それを日本で行うには課題がある。 それは、ほとんどの日本人が金融教育というものを真っ当に受けた経験がないからだ。一方で、米国では小学校から「マネー教育」が始まるのは有名な話であろう。 これは、米国だけの話ではない。

身近なシンガポールやマレーシアもマネー教育に力を入れている国として有名だ。 現状の日本だと、金融リテラシーが十分に身に付いてるとは言えないため、ただ単に投資するのであれば資産を想定以上に削ってしまう可能性もある(リスクヘッジなどの観点から)。 (長文化する可能性があるのでここでは触れないことにするが、金融機関の人間達の金融リテラシーも十分でないという現状がある。)

こういった根本的な問題を解決するために、日本人全体の金融リテラシーを引き上げる必要がある。また一方で、金融機関の手数料重視体質も併せて見直される必要があるだろう。 ZUU-ONLINEが、その一助になれれば光栄である。