◉M&Aの手続き


M&Aの実施にあたっては、①M&Aアドバイザーの選定、依頼②デュ-デリジェンスの実施③承継条件の交渉・決定及び法的手続きというプロセスを経て行われることとなります。

①M&Aの実施にあたっては、M&Aアドバイザーと呼ばれる専門家の指揮のもと、手続きが進んでいくこととなります。M&Aアドバイザーは企業の事業承継という大きな事業を指揮する立場として大きな責務があるので、相応の報酬の支払いが必要となります。M&Aアドバイザーに対する報酬は後述します。

②次に、デュ-デリジェンスとは、企業の調査のことです。つまり、企業を事業承継するにあたって承継対象の会社に法的な問題点はないかということや財務状況はどうなっているかなどを調査し、承継をするかどうか、また対価はいくらくらいにするかをチェックする作業がデュ-デリジェンスになります。

③最後に承継条件を決定してクロージング・必要な法的手続きを実施するという流れになります。


◉M&Aアドバイザーなどに対する費用


M&Aの実施の際には、M&Aアドバイザーに対する費用がかかります。この費用が決して安いものではないので、M&Aアドバイザーに対する費用も念頭に入れる必要があります。M&Aアドバイザーに対する費用は、①着手金②リテーナーフィー③成功報酬に分けられるのが一般的です。

①着手金は、アドバイザーとの契約の際に支払う費用です。金額は、数十万円から数百万円です。東京商工会議所認定のアドバイザーの場合には50万円が着手金となります。
この着手金は、M&Aの可否にかかわらず返ってくることはありません。

②次に、リテーナーフィーは月々の固定で支払う費用になります。これもM&Aの成否にかかわらず返金はありませんが、アドバイザーによっては不要な場合もあります。

③最後に成功報酬は、取引金額に応じて数パーセントを支払うことが一般的ですが、東京商工会議所認定のアドバイザーの場合、最低額は1000万円とされています。
また、許認可の承継、登記、税務などで行政書士、司法書士、税理士などへ別途報酬がかかることもありますので、M&Aの場合には、アドバイザー等に対する報酬も視野に入れる必要もあります。

M&Aは企業の事業承継のために有効かつ「手っ取り早い」方法ですが、それに見合った報酬、費用がかかることとなります。後継者教育などの手間を省くことができ、適切な承継先を見つけてくれる代わりに高い費用がかかることとなります。
そのため、まずは相談からじっくりとスタートすることが重要です。


BY S.K

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