経営破綻「スカイマーク」再建の道 脱LCCが加速する国内事情

(写真=Thinkstock/Getty Images)

昨年からエアバスの旅客機発注キャンセル問題で何かとメディアを賑わせていたスカイマーク <9204> だが、1月28日とうとう東京地方裁判所に民事再生法を申請し正式に経営破綻に追い込まれることとなってしまった。一時は1500円を超えるところからスタートした同社の株価はもはや見る影もなく3月1日付けであえなく上場廃止となる。

2月4日に都内で開催された債権者向けの説明会では、投資ファンドのインテグラルから支援を受けて再生を進める方針が説明され、再生手続きを進めることについては債権者からの異論は出なかった模様だ。現状での同社の負債総額は710億円とされているが、このうち9割は航空機のリース料となっており、リース会社による減免等の協力がどこまで得られるかが再建に向けての大きなポイントとなる。またエアバスへの発注見送りにより生じている7億ドル(820億円)の違約金は金額が確定していないため、この負債総額には含まれていないことから、こちらの債権がさらに膨らむ可能性もでてきている。


そもそもLCCビジネスとは?

LCCとはローコストキャリア(Low Cost Carrier)の略号で効率的な運営をすることにより、フルサービスキャリアよりも低価格の運賃で運行サービスを提供する航空会社のことをさす。スカイマークはその国内LCC新規参入第一号であり、旅行代理店H.I.Sの社長らの出資により1996年に設立され、国内外で大きな注目を集めることとなった。これまでの航空会社にはない低料金で飛行機を利用することができることから国内では非常に注目を集めることとなったのは言うまでもない。


安いだけでは広がらなかった国内市場

LCCは2012年に海外からの事業者が国内に参入し、LCC元年などと持て囃され再注目されることとなる。ビーチアビエーションはANAの資本を受け入れながら関空をベースとして就航を開始。エアアジアジャパンやジェットスタージャパンは成田をベースとして就航することになった。

しかしこうしたLCCは機材数の少なさから定時運行率が著しく低下し、欠航便も続出することとなり一気に顧客離れが加速した。エアアジアは就航からわずか1年ほどで撤退。ANA <9202> がバニラエアとして事業を継承している。この7月には楽天 <4755> と組んで再度国内市場に参入を計画しているが果たして捲土重来となるかが注目される。

LCCはとにかく価格が安いことでは顧客の目を引くことに成功したが、欠航が多く、格安であるが故に他のエアラインに振り替えることもできず、また時刻どおりに運行しないことも顧客から敬遠される大きな原因となってしまった。これはスカイマークにも一脈通じる問題であり、総じてLCCに対する評判はよくない状態が続いている。

特に、定時運行が守れない、欠航時に他社振替が一切ない点は日本の顧客の志向と決定的な差が生じているようで、海外におけるLCCの常識は日本の顧客に通用しないところに大きなギャップが生じている。またスカイマークの場合LCCを名乗りながらも価格の高さが目立ち、金券ショップでJALの株主優待席券を購入すればほとんど料金が変わらないという厳しい状況にもさらされていた。