コモディティ通貨として脆弱性も

ブラジルは世界有数の資源国で、なかでも鉄鉱石や農産物、原油などに強みを持つ。ブラジルといえばコーヒーが有名だが、それ以外にも世界的な輸出量を誇る農産物は多く、注目に値するのがサトウキビなどを精製して製造する燃料、バイオエタノール大国である点だ。ブラジル経済を支える木炭輸出はアマゾンの原生林を伐採したものであり、環境保護や持続性の観点から、ブラジルでは環境性能の高い資源や燃料の開発や製造に力が入れられている。

こうした産業構造を持つため、ブラジルレアルは資源価格との連動性が高い。同じくコモディティ通貨である豪ドル円やカナダドルにように取引量も多くないので流動性が低く、ひとたび資源価格の下落が起こるとブラジルレアルだけ突出した下落幅となる場合がある。まだまだブラジルの経済規模が成熟しておらず、脆弱性を併せ持っていることを示している。


問題山積のブラジル経済、ブラジルレアルの将来はホントに明るい?

BRICs諸国の経済成長力は高く評価されているが、ほかの国々と比べてブラジルは生産性、上昇率が低く、成長力は弱いという評価が大勢だ。インフレが進み、国内景気は低迷。ブラジル経済は今、問題山積である。中国やインドと違い、依然として資源輸出に依存した産業構造であることや、経済力の割には高金利であることが外国からの投資を呼び込みにくく、「BRICsから最初に脱落する国では』と見る識者もいる。

それでも日本の23倍という広大な国土と、拡大を続ける人口、そして豊富な地下資源は今後もブラジル経済の柱となる可能性は高く、長期的な見方ではブラジルレアルの価値や地位も高くなると見るのが妥当だ。

(ZUU online)

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