「アンチドル通貨」基軸通貨を狙うユーロの不安は尽きない-

(写真=Thinkstock/Getty Images)

欧州連合に加盟する諸国で流通している、欧州統一通貨のユーロ。異なる国々の経済圏をひとつにまとめ、そこで単一の通貨を流通させるという試みは世界史上でも稀に見るもので、その意味でもユーロは注目されるべき通貨だ。ドル基軸で動く世界経済において、その次の地位を担うべく作られた通貨でもあるので、欧州だけでなく世界的な存在感も大きい。その一方でギリシャ危機や欧州諸国で高まる保護主義など不安要素も指摘されており、必ずしも前途洋々ではない。

強弱入り乱れるユーロに対する評価を踏まえ、ユーロへの投資妙味と今後を考察してみた。


ユーロは世界最大の「アンチドル通貨」

ユーロが持つ最大の特徴は、アンチドル通貨であることだ。簡単にいうと、アメリカやアメリカ経済に何かマイナス要素が見られた時に資金の逃避先となる通貨がユーロなのだ。そのため、ユーロが流通している欧州ではなく、アメリカで何かあった場合にドルが売られると、相対的にユーロが高くなる。これは、ユーロドル(EUR/USD)という通貨ペアが世界で最も取引されている通貨ペアで、この通貨ペアでドル売りを行うと自動的にユーロ買いになるからだ。いわば、ユーロは世界的なドル基軸体制をバックアップしている通貨だといってもいいかもしれない。この関係は今後も続くと見られ、ユーロとアメリカドルはシーソーゲームを演じることになるだろう。


アメリカドルに次ぐ基軸通貨の地位を狙う

現在のドル基軸体制が永遠に続くかというと、それはわからない。かつてイギリスのポンドが世界基軸通貨だったことと、今のポンドの地位を考えると説明するまでもないだろう。そこでユーロはアメリカドルに次ぐ基軸通貨の地位を狙って設定されたわけだが、今の段階でその目的は着々と達成しているかに見える。高金利通貨ではないので保有しているだけで大きな利益が得られるわけではなく、また流動性の高さ的としたポートフォリオに組み込む選択肢としては、とても魅力のある通貨だ。