尽きない欧州内の経済不安がユーロに与える影響

欧州連合諸国には歴然とした経済格差が存在する。旗艦的存在であるドイツの経済が好調であっても、同じ時期にギリシャで債券デフォルトのリスクが現実味を帯びるのがユーロ圏だ。ギリシャ問題が与えた影響はギリシャという国や欧州連合だけの問題に留まらず、今後も欧州内で同様のデフォルトリスクが起きるのではないかという危機感を芽生えさせた点が深刻だ。事実、ギリシャ危機の時には、次はイタリアやポルトガルなどが危ないのではないかという噂が世界を駆け巡った。

スイス国立銀行がスイスフランの上限撤廃を発表した瞬間、対ユーロで信じられないような大幅高になったこともあった。このことも、潜在的なユーロに対する不安を垣間見させた。ギリシャに関しては新政権が緊縮策を拒む強硬姿勢を見せており、先行き不透明な状況からユーロ不安が再燃している。


ユーロ離れも深刻化

今年から19ヶ国体制になるユーロ圏。国際通貨基金(IMF)の統計によると(2014年12月31日公表)、各国中銀が保有する外貨準備に占めるユーロ比率が2014年第3・四半期に22.6%と前期比で低下し、12年ぶりの低水準となった。欧州中央銀行(ECB)の量的緩和を受けユーロ安が進むなか、市場のユーロ離れが進んでいる現状がある。 国際的な地位が高まるほど基軸通貨としての資質が求められるため、ユーロが真の国際通貨として定着していくまでの模索は今後も続くだろう。

(ZUU online)

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