中国の旧正月である今年の「春節」は2月19日であり、その前日となる18日から24日までの長期休暇を利用して、海外を訪れる中国人観光客は500万人を超えたという。


春節の中国人観光客 「爆買い」で日本国内の免税売上は2~4倍に



都内の百貨店や家電量販店やスーパーやドラッグストアなどに殺到した中国人観光客は約45万人にものぼり、百貨店の免税売上高は昨年の2~4倍になった。人気商品は安全・安心が評価されている医薬品、化粧品だった。同じくその品質を高く評価されている家電製品においては、炊飯器に代わり温水洗浄便座が一番人気となった。家に設置すると、家の各が上がるとして人気があり、話題になっている。また、魔法瓶を手に取る客も多い。

バスを降りるなり、一番に買ったと見られる大形スーツケースが、人気商品で一杯になるまで買い物を続ける。まさに「爆買い」である。高級時計や宝飾品ももちろん人気であり、日本の市場において毎年不況とされる月である、いわゆる「ニッパチ」を吹き飛ばす朗報である。


マナーの悪さに集まる批判 香港では拒絶反応も



押し寄せる中国人観光客による「爆買い」に恩恵を受ける一方で、そのマナーの悪さを批判する声も少なくない。観光バスをゾロゾロと降り、あたり構わず大声をあげて歩く中国人団体客に、街の雰囲気が壊れるなどの声も上がっている。レストランでの食事後、子供を置いたまま買い物に出かける客がおり、店員が子供の面倒をみている光景が、テレビで紹介され、話題となった。

中国人観光客への批判は、香港でも強くなっている。2003年には数千人単位だった本土からの訪問者が、昨年は5,000万人を超えた。人口700万人の香港には、多すぎる数かもしれない。多額の買い物をするだけでなく、粉ミルクや紙おむつなど、根こそぎ買い占めるかのように、爆買いしていくので、香港で子育てをする母親にとっては、迷惑なのではないだろうか。

香港市民の生活必需品までも、買い占めるということもあり、香港市民は中国本土本土から買い物客を「いなご」と呼び、大群で押し寄せ田畑を食い散らす様をその姿に例えている。香港における本土人忌避のムードは、昨年の民主化デモ以来、さらに高まっている。今年の春節では、本土からの買い物客を取り囲み「来るな、帰れ」と怒号する香港市民の姿がテレビで紹介された。