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(写真=Thinkstock/Getty Images)

多くの相続税対策では、不動産の市場価格と評価額の「差」を利用している。この「差」の例を具体的に挙げると、市場では1億円で実際に売却できるような物件が、8,000万円程度で評価されている場合や、逆に市場では500万円程度で売るのがやっとというような底地が、2,000万円程度で評価されている場合があるといったものだ。

相続専門のコンサルタントたちが行っているのは、ほとんどがこの市場価格と評価額の乖離に着目したアドバイスと言っていいだろう。


市場価格と評価額の「差」を利用する新しい不動産売買

最近、このような市場価格と評価額の差額に注目して、相続対策資産として注目され始めたのがタワーマンションの高層階を短期で売買する手法だ。10年前には今ほどタワーマンションが供給されていなかったため、タワーマンションに着目した相続対策の手法については、比較的新しい対策といえる。


タワーマンションの市場価格

ポイントはタワーマンションの高層階を購入することだ。通常、マンション価格と言うのは階数が高くなるほど市場価格も高くなる。不動産鑑定の世界では「階層別効用比が上がる」と表現する。

理由としては、眺望や日照といった条件が低層階に比べて有利だからだ。また部屋の向きや位置によっても価格が異なってくる。北向きより南向き、中間の部屋より角部屋の方が、値段はもちろん高く設定される。この差を「位置別効用比」という。こちらも日照や隣接住戸の騒音の多寡などの条件が理由だ。

つまり、マンションの市場価格は、階層別と位置別の効用比によって決定される。例えば2階に位置する北向き75㎡の中間部屋より、最上階に位置する南東向き75㎡の角部屋の方が価格は高くなる。