4月1日、ギリシャは包括的改革案を債権国側に再提出したが、いまだ合意に達していない。改革案のなかでギリシャの当面の資金需要は、190億ユーロと試算されているというが、実際、9日には国際通貨基金(IMF)へ4億5000万ユーロの融資返済、そして給与・年金支払いが控えており、ギリシャは資金が底をつく直前まで来ている。


改革案合意前の融資実施を要請したものの、EU側はそれを拒否

2日、ユーロ圏当局者が明らかにしたところによると、ギリシャは、「9日に資金が枯渇し、国家の運営維持できない」「改革案が合意に至るまで融資を実施しないのは非現実的」と言明し、これらの支払いをまかなうため、債権団に対し改革案の合意前の融資実施を要請したが、残念ながらこの要請は拒否された。

ところで、3月末にトゥスク欧州連合大統領は、4月末までに支援協議(プランA)は成功すると確信している、かつ、協議がまとまらなかった場合の「プランB」も管理可能な状況にあると、楽観的な発言をしているが、どうやら、2月の会合以来、ギリシャと債権国グループ側との交渉が長引く、あるいは合意に至らなかった場合の対応策は、すでに練られていたようである。


新・ドラクマ通貨の発行?

ドラクマへの回帰の可能性を視野に入れつつ、ここへきて再び浮上してきたのが、ユーロ・ドラクマ併用論に加え、パラレル通貨を発行し、国家のデフォルトを回避する、というものである。これは、パラレル通貨とは「将来ユーロで支払います」と約束する借用証書(IOU)で、法的通貨ではないが、事実上「通貨」と同様に位置づけられ、機能・流通することになる。本物のユーロよりはディスカウントされた水準で取引されることになろうが、ユーロと共存することになるだろう。