競売物件
(写真=Thinkstock/Getty Images)

不動産はできるだけ安く購入したい。それが購入者に共通する気持ちだろう。昔から不動産を安く購入する方法としてあげられるのが「競売」だ。以前は競売といえば「事件モノ」の物件としてダークなイメージがあった。

しかしそれは昔のイメージで、平成15年に民法改正で短期賃貸借の保護の廃止が施行されて以来、競売は占有者リスクが大きく減り、購入しやすい物件へと変化している。

リスクは減ったが、価格は現在、どうなっているのだろうか。実際、どのような物件が流通しているのだろうか。今回は、その競売の世界を探ってみた。


ネットで便利になった競売物件の情報収集



競売情報については、裁判所の不動産競売物件情報サイト(通称BIT)で全国の競売物件を無料で閲覧することが可能だ。昔のように、わざわざ裁判所まで見に行かなくてもいい。

どういう物件が多いのかといえば、都内の場合だとマンションが一番多い。次に戸建で、更地は少ないのが特徴だ。100坪を超えるような更地物件は滅多になく、ほとんどが個人の住宅向けの土地である。


物件は3点資料だけで見極めなければならない



1BITでは各物件の物件明細書、現況調査報告書、評価書の3点セットをPDFファイルで見ることができる。一応、物件の内覧制度は設けられているが、債権者の費用負担となるため、ほとんど行われることはない。

そのため、通常は直接物件を見ずに、この3点セットを確認して購入判断を行う。現況調査報告書と評価書の中には建物内の写真はあるが、これらの写真は債務者が生活している中で撮られたものが多い。

正直、かなり生活感がある写真のため購入意欲が失せるかもしれない。部屋の中の残置物については、原則、債務者の費用負担で処分されるべきものであるが、実際には処分できないケースが多いとされる。そのため、買受人が負担する場合も多く、そのあたりは注意が必要だ。

その点、更地であれば、外部からでも物件状況が分かるため安心だ。ただし、先述したように競売には更地そのものの物件数が少ない。以上のように、物件情報の閲覧はしやすくなったが、購入前の物件内覧に関しては難点があるのが今の競売の特徴だ。


早い決断が勝負



競売でもうひとつ懸念されるのがスケジュールだ。物件がBITに広告されてから、2週間後に入札が開始される。入札期間は1週間のため、実質的には3週間以内に購入判断を行わなければならない。また、入札期間終了日までに裁判所が指定した保証金を支払わなければならないため、その資金調達も急務となる。

保証金については原則、売却基準価額の20%となっている。売却基準価額は裁判所から指名された不動産鑑定士によって評価され、3点セットの評価書に記載されている。売却基準価額は一般的には市場の7割程度といわれているが、実際には鑑定人が保守的に金額を評価しているため、市場価格の5~6割程度の金額と推定される。


競売といえば「占有者」、今は問題なし



3点セットにある物件明細書には、差押時の占有状況が記載されている。差押以降の新たな占有者は原則保護されず、協議により任意で明け渡すケースが多い。

理由としては、そこで居座っても引渡命令という強制執行手段があるからだ。そのため、嫌がらせを目的としたいわゆる「占有屋」というのは、今はあまり問題ないと言っていいだろう。

また、抵当権設定以降に賃貸借契約を行った賃借人も保護されない。通常、マンションを建てるオーナーは、建物竣工と同時に建物代金の抵当権を設定し、その後、入居者との賃貸借契約を行う。そのため、ほとんどの賃借人は保護されないので、入居者を退去させた状態で購入が可能だ。


売却基準価額の約2倍になる物件価格も



現在の競売は、占有者の排除等の制度が整っているため、法的リスクはほぼなくなってきた。買い受け時に従前の抵当権も抹消されるため、物件としてはきれいに生まれ変わった状態だ。

そのため、最近の競売は、優良物件の場合、売却基準価額の約2倍の水準で落札されている。売却基準価額が市場の5~6割程度と考えれば決して安くない価格だ。

短期間で決定、保証金支払いをし、内覧ができないリスクも考慮すると、高いぐらいかもしれない。仲介者が入る任意売却の方が、安心感がある上、場合によっては競売物件より安く購入できることもある。

以上のメリット、リスクを考慮した上で、それでも競売に興味があるならば、よく知っているマンションの一室など、内覧しなくてもわかる物件が競売に出た場合に絞って、まずはチャレンジしてみるのがいいだろう。(ZUU online 編集部)

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