Japan Post Plans IPO In 3 Years That May Exceed $50 Billion
(写真=Getty Images)

日本郵政グループは、4月1日付で中期経営計画を発表した。日本最大級の金融機関であり、日本全国にネットワーク網を持つ郵便事業独占会社の今後の動きについては、金融機関や物流業界だけでなく、日本経済にも大きな影響及ぼすものである。

そこで、今回は、中期経営計画の概要について紹介したい 。


日本郵政、中期経営計画5つのポイント

中期経営計画書では、まず、外部環境の変化として、①超低金利、②少子高齢化、③過疎化、④インターネットの普及、⑤人手不足、を挙げている。経営戦略を練る上で、これら外部環境の変化に対応していくことになる。

それを踏まえ、日本郵政グループの課題としては、①収益性の追求、②生産性の向上、③企業統治と利益還元、の3つを挙げている。

しかし、これら3つの課題は、営利企業ならば当然に目指しているものであり、改めて課題として挙げるほどの意味はない。厳しい言い方をすれば、具体的な課題を抽出できていないといえる。

それはさておき、これら課題を解決するための成長戦略として、①郵便事業の黒字化、②ゆうちょの収益拡大、③資金運用の高度化、④郵便局ネットワークの活性化、⑤かんぽの反転、の5つを掲げている。

ただ、①の郵便事業の黒字化は、従前から目標とされてきたが、先行きどうなるかは不透明な状況にある。

②のゆうちょの収益拡大については、銀行等から民業圧迫との批判があり、大々的に展開しづらいという背景がある。また、信用金庫や信用組合といった地域金融機関との連携も視野に入れているため、慎重な対応が求められるという難しさがある。

③の資金運用の高度化については、積極的にリスク資産に投資していくとしているが、リスクをとるということは、リターンの期待がある一方で、損失が発生する可能性も高まるため、必ずしも収益が得られるとは限らない。その意味で、これも確実な戦略とは言えない。

④の郵便局ネットワークの活性化については、全国の一等地に郵政グループは土地を保有しているので、その不動産を活用すれば大きな収益源となりうるだろう。丸の内のJPタワーに代表されるように、一等地の土地上に複合施設などを建設することで、郵便局への集客につながるとともに、賃料収入などの収益も見込まれる。

⑤のかんぽの反転については、特に具体策はなく契約件数も年々減少しているので、反転することは難しいだろう。


日本郵政の投資額の大きさに注目

そんな中、具体的な対策として注目すべきなのは投資額の大きさである。2015年から2017年度の郵政グループの投資予定額の合計が約2兆円もある。

内訳は、施設・設備投資が6,700億円、システム投資が4,200億円、不動産開発投資が700億円、成長に資する戦略的投資が8,000億円となっている。700億円の不動産投資では、名古屋や福岡などで大規模な再開発を進め、オフィスビルや商業施設の賃料収入の拡大を狙っている。確実性の高い収益源としてこれは期待できる 。


日本郵政、上場をにらみ個人投資家向け施策を充実

日本郵政グループは、2015年の半ばに株式上場を目指しているため、個人株主に魅力を持たせるため、上場後の配当性向の目安を50%まで引き上げるとしている。

しかし、連結当期利益の予想は、2014年度が4,200億円で2017年度が4,500億円と7%しか成長しないことを考えると、安易に配当性向を高めることは企業の体力低下を招くおそれがある。


郵便事業の収益改善なるか?

苦戦している郵便事業については、楽天とインターネット通販の配送で提携し、郵便局などに受け取り用ロッカーを設置し、楽天の利用者が自分の予定に合わせて希望の場所で商品を受け取れるようにするサービスを今春からはじめるとしている。

また、国際的な物流にも進出するため、豪物流大手を買収するなど、郵便事業についても収益の改善をはかっている。