◎インフレーションに強い資産
ここで資産運用の観点でインフレーションについて考えてみましょう。
インフレーションという経済環境下においては、現金よりもモノで持っている方が良いということを述べました。これは、価格変動がある資産を持つべきということです。現金や国債など額面金額が変わらないような資産はインフレーションにとても弱いです。物価が上昇していく中で額面金額が変わらないということは資産価値の目減りが起きているからです。インフレーションに強い資産とは株式、不動産、貴金属など価格変動が期待できるものです。外国通貨もインフレーションに対応した商品ということができます。範囲を広げれば、絵画や骨董品もインフレーションに対応した資産ということができます。但し、それぞれの資産にはリスクも有りますので気をつけましょう。例えば、外国通貨の場合、交換した通貨の発行国で日本を上回るインフレーションが起きていたとしたら、日本におけるインフレーション対応資産とは言い難くなります。
◎投資は攻めだけではない
「株式や外国通貨、不動産などで資産運用をしましょう」というと、お金儲けとイメージする人も少なからずいます。しかし、資産運用は必ずしもお金儲けのためだけではありません。自分の資産を守るためでもあるのです。
日本ではバブル崩壊後、長いことデフレーションが続きました。現預金のみで資産を運用していた人は大いなる恩恵を受けていたことになります。タンス預金をしてもいるだけでも貨幣価値が相対的に上がっていたからです。しかし、現預金だけで資産を持つということも1つのリスクであると考えるべきです。デフレーションという経済環境下では、上手な資産運用となっていましたが、インフレーションが起きれば、時間とともに価値が目減りしていってしまいます。
黒田日銀総裁はデフレーションからの脱却、2年で2%の物価上昇を目標に質的・量的金融緩和に踏み切っています。これからインフレーションを起こそうとしている中、自分の資産運用方法を見直してみることは、資産保全という観点からもとても重要です。
【参考記事】
これから起こるインフレーションに備えるために~アベノミクス時代の資産保全~
アベノミクスのインフレで円安はすすむ!?インフレ・デフレはどっちがいいか??
by ista
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Peat Bakke
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