なぜ、ネットバブルが起こるのか?

1997~1998年に世界は混乱の渦に中にいた。 アジア通貨危機・ロシア危機を発端に、世界一の伝説のヘッジファンドLTCMが破綻に追い込まれる。 米政府は連鎖破綻を嫌い、市場金利を一気に引き下げる。 その一方で、もちろん株価も商品市場も大暴落しているわけであり、投資家は大きな傷を負うことになる。

しかし、こうした中でも投資家は常に投資機会を探している。 その受け皿になったのが、VC(ベンチャーキャピタル)やPE(プライベートエクイティー)などネット企業を中心にベンチャー企業などに投資するファンドだ。

一方で、低金利が続く中、世界経済減速から無傷であった新興企業達は資金調達が以前より容易になった。 また、低金利の元、資金流入が加速しパンパンに太ったVCなどは、資金を有効活用するために、どんどんベンチャーへ投資を続ける。 (というより、投資しなければ、投資家にリターンを返せないのでバンバン投資をすることになる。)

結果として、これが、2000年のITバブルの頂点、そして崩壊までを加速させた。これは、どのバブルでも同じだ。 同様に、2005年のWeb2.0バブル前を見てみたい。

アメリカでは2001年9.11のテロが起こり、その同年にエンロンが破綻、その翌年にワールドコムが破綻と、そこから2004年6月までずっと1%の低金利が続いてた。

一方で、日本の場合は、2003年にみずほ銀行が潰れそうとまで言われ、かつ、りそな銀行には公的資金が注入され、その後2006年の利上げまでゼロ金利と量的緩和が続いた。このようにして、低金利が続き、儲かる投資対象が枯渇した際に、ネットバブルというものは毎回発生している。

景気循環論という理論は有名だが、ネットバブルの場合、上記の図でも触れたが、だいたいこれが6年周期といわれている。(Yale大学のビジネススクールで受講したVCの授業でも教授は自信満々にそのように述べていた)。

そもそも、世界経済のサイクルで、低金利、投資対象が枯渇するサイクルとほとんど連動しているわけなのでロジックは通っている。 それを当てはめると、上記のような期間にバブルが発生し、そして崩壊へ、そして、また次の拡大期へと移行する。

なお、具体的なバブルまつわる出来事については、以下の記事も参考にして欲しい。

2002年、グローバル化とIT革命が生んだ大富豪〜この20年、億万長者の世界にはどんな変化があったのか2/3〜
2012年、躍進する新興国とネット企業〜この20年、億万長者の世界にはどんな変化があったのか3/3〜
いつかは来るバブルの終わり、その時資産を残す人と無くす人の違いとは?〜この20年、日本の億万長者の世界にはどんな変化があったのか2/2〜