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(写真=Thinkstock/Getty Images)

金融庁は4月24日、少額投資非課税制度(NISA)を通じた2014年の投資による利益が約3,500億円に上ったと発表した。

2014年1月から証券優遇税制が廃止され、株式の配当や譲渡益に対する所得・住民税の税率が10%から20%に戻った。NISA口座では年間100万円までの購入分に対しては配当や譲渡益が非課税で、投資により利益が上がった際は税制上のメリットを享受できる仕組みだが、非課税期間は5年間、年間の上限が100万円に制限されている。

アベノミクスによる株式相場の上昇を受けて利益を確保し、今後の利用者の増加にもつなげたいところだ。しかし実際にNISA口座を開設している利用者の状況を分析すると、様々な課題も浮かび上がっている。NISAの利用状況を確認しながら、どのような点が課題なのかをみていこう。


NISAの政府目標は達成なるか?

金融庁が4月に公表したNISA口座の利用状況の資料では、2014年開始当初の口座開設数492万口座から、年末には825万口座に増加したとのこと。買い付け額も年半ばの6月の1兆5631億円から、年末は2兆9770億円と順調に右肩上がりでアップしているグラフが示され、NISA制度の成果をうたっている。

しかし、政府は2020年にNISA口座の利用者数を1,500万人、投資総額25兆円を目標に掲げている。口座数に限ってみれば、制度開始から1年で目標の半数近くまで達したが、これはNISAのスタートにあたり証券会社などが顧客の囲い込みのため、大々的なプロモーションやキャンペーンを展開した営業努力という側面が大きく、今後の伸びは鈍化していくだろう。また、目標に掲げる投資額は、7年間で年平均約3.5兆円としており、初年の実績はそれを下回った。


NISAの利用状況から見える大きな課題

それでは、年代別・口座稼働率をもとに利用状況をみていこう。

まず、年代別に口座数をみると、60代以上が56.7%を占める一方、20-30代は12.6%と少数派で、長期投資で複利効果がより期待できる若年層にまだまだ利用が広がっていないのが実情だ。また投資額でみても、60代以上が全体の60.8%にあたる約1兆8,100億円に対し、20-30代は10.2%の約3,049億円となっている。

次に、気になる口座稼働率だ。全体で45.5%にとどまり、NISA口座を開設したものの半数以上の人が利用していない状況。実際に、投資未経験者により開設されたNISA口座は約194万口座で全体の23.5%を占めている。2014年の株式相場は上昇基調が続いていたにも関わらず、「貯蓄から投資」の流れに一歩を踏み出せない状況に陥っている投資未経験者が少なくないと考えられる。

また、証券会社の現場において、見かけの「NISA口座獲得数」に焦点があたり、投資を促進するという本来の目的からずれている側面も大きいだろう。取引するつもりのない顧客の家族や、営業員の知人にとりあえず口座だけ作ってもらう、なんていう話も耳にするが、それが今回の稼働率に如実に表れているのではないだろうか。


改善策と今後の課題

2015年からはそれまで変更できなかったNISA口座の開設先金融機関を1年ごとに選び直せる制度に改正されたほか、2016年から年間100万円の購入上限額を120万円に拡大。また、ジュニアNISAを創設し、年間80万円を限度に0-19歳の未成年専用の口座とし、高齢者に偏る資産を若年層に移行させ、投資のすそ野の拡大を促進させる。さらに、NISA口座開設に必要な手続きが煩雑なことから、マイナンバー制度を活用した手続きの簡略化にも乗り出す方針だ。

NISA制度開始から1年で浮かび上がった課題とともに、改善策も打ち出されているが、これまでみてきたように、若年層の利用促進、そして投資をしていないNISA口座の開設者にどのように投資を始める契機を与えることができるかが、2年目を迎えるNISAの課題となってくるだろう。(ZUU online 編集部)

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