労働生産性を上げるために改善策を
人口の減少に伴い労働力人口も減少していく。これから将来において日本の人口が急増することは考えづらいだろう。特に、10年後の2025年には団塊の世代の多くが75歳以上となり、介護問題が本格化していく。今でさえ両親の介護が理由で、離職している人が増えている。10年後はさらに増えるだろう。そのような人たちが有給休暇を取得しやすくなるのは、歓迎される状況だ。また、介護だけではなく、子育て中の世代も同様だろう。子どもの急な病気等で、どうしても休まざるを得ないケースは多々ある。
しかし、極端に労働時間を短縮してしまえば、企業としての競争力が落ちてしまいかねない。また現在日本で問題となっているのは、少ない有給休暇の取得率よりもサービス残業の方だろう。これが影響してか、ILO(国際労働機関)が発表している世界各国の労働生産性データによれば、2011年の我が国の労働生産性は世界で27位と労働生産性は高くはない。1位はルクセンブルク、2位はノルウェーとなっており、日本のすぐ下にはバハマ、スロベニア、スロバキア、それにクロアチアといった中欧・東欧諸国が多くなっている。
サービス残業をなくすように、日々の労働効率を上げるためのいろいろな改善策を取っていけば、自然と有給休暇を取得する余裕が生まれるだろう。サービス残業が生じる理由も有給休暇所得にためらう理由と近く、上司や同僚に対する遠慮、会社の雰囲気、社内慣行、それに会社に対する忠誠心というものが多い。従業員のこういう気持ちに寄りかかることができるうちはいいが、今後競争環境が激化していくとそれも難しいだろう。
これからは今までよりも一層、有給休暇を取得しても業務に支障がないような、経営効率の改善が求められる時代。この制度変更をきっかけに普段の業務を見直してはどうだろうか。
(ZUU online 編集部)
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