今、生活雑貨店『無印良品』ブランドを展開する(株)良品計画 <7453> が、アジア地域を中心とする海外で好調だ。

(株)良品計画は2015年1月6日、平成27年2月期第3四半期決算を公開した。

これによると、連結売上高1,905億500万円(前年同期比17.4%増)、連結当期利益124億7,800万円(13.7%増)、店舗数689店舗(前年同期比11.3%)と過去最高益を更新する業績となった。その要因は、国内直営事業だけでなく、アジア地域をはじめとする海外事業での成功がある。

無印良品は元々1980年に誕生した(株)西友(現・合同会社西友)のPB「無印良品」が始まりである。その後、1989年に(株)良品計画として分社化し、1990年に㈱西友から営業権を譲受、2000年には東京証券取引所市場第1部に上場している。

海外への進出は、1991年へのロンドン出店が第1号。その後アジアを中心に店舗数の拡大を進め、今日では『ユニクロ』を展開する(株)ファーストリテイリング <9983> と並んで日本発の専門店といえるまでに成長した。

また無印良品の海外出店は基本的には直営店だが、現地のパートナーなどとのマジョリティ出資(過半数の割合で出資すること)にも積極的だ。

進む海外への出店と成功の秘密

海外では主に『MUJI(ムジ)』ブランドでの出店を行っている。

平成27年2月期 第3四半期決算データブックによると、(株)良品計画の国内と海外の全体売上に対する比率は、国内事業74.9%(1216億210万円)、海外事業19.4%(314億6300万円)と、国内の売上が全体の多くを占めている。だが、前期比を比べてみると国内事業が前期比106.0%に比べ、海外事業は164.7%と著しい成長を見せている。

また、日本国内406店舗に比べ、海外では283店舗(欧州63店舗、アジア211店舗、北米9店舗)と約41%を占めている。まだ過半数に満たない海外店舗だが、前年同期比から比べると、国内は388店舗から21店舗増加(純増数)したが、海外は231店舗から28店舗(純増数)増えていることから、海外の方が出店に勢いがあり、近いうちに国内店舗数を海外店舗数が越えると予想される。

初めての海外進出は、前述したように1991年のロンドンへの出店が第1号。この時は、現地のリバティ百貨店とのパートナーシップにより実現した。

その後、香港などのアジア地域への出店を続けたが、1998年には一度アジア地域から撤退するなど、2001年までは海外事業全体では赤字を計上していた。

現在、海外への出店で最も店舗数が多い国は、中国の112店舗である。北京や上海などの多くの都市で出店し、2014年12月には成都に海外最大規模の店舗を出店している。