2つの課税方式の検討

現在、国外事業者に対する消費税の課税方式は、事業者向け取引においては『リバースチャージ方式』と消費者向け取引においては『国外事業者申告課税方式』とにわけて、検討されている。

リバースチャージ方式とは、事業者向け取引においては消費税の申告納税義務を国外事業者ではなく、国内事業者に課すというものだ。国内事業者は、リバースチャージ方式による納税が発生するがその分、仕入れ税額控除が受けられるため、税負担が増えることはないが、申告納税の手間が増える。そうなると、国外事業者に申告納税義務を課せば、国内事業者の申告納税の手間が減るが、消費税の徴収側である国税庁の手間が増えるので、国内事業者に課すという規定が検討されている。

これに対して、国外事業者申告課税方式とは、消費者向け取引において、消費税の申告納税義務を国外事業者に課すというものだ。

いずれの方式をとるにせよ、国内事業者と国外事業者で、消費税の課税の不公平をなくすような検討がされている。


国内・外の企業の公正な取引へ

経済産業省によると、平成25年のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、11.2兆円と前年比17.4%の増加となっており継続的な上昇を続けている。国内でインターネット通販を手掛けている事業者は消費税8%分(国外事業者と同額で販売しようとすればこの分を自分のところで持つことになる)のハンデを負ってアマゾンなどの海外大企業と競っている。

国外事業者の消費税課税となる『国外事業者申告課税方式』が実現できれば、消費者向けサービスについては公正な競争が図られ、海外企業も国内企業も消費者向けのサービスで競うという新たなステージを期待することができる。数年後にはインターネット通販の勢力図が変わることもあるかもしれない。

(ZUU online 編集部)

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