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(写真=Thinkstock/Getty Images)

2020年以降の温室効果ガス排出量削減に関する国際的な枠組みを決める会議が、今年の11月にパリで開催される。COP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)と呼ばれるもので、先進国だけでなく発展途上国を含めたすべての国が参加し、議論するものだ。

近年は、世界各地で洪水や干ばつといった異常気象が発生している。2011年にタイで発生した洪水を覚えている方も多いことだろう。 東京大学・東京工業大学『地球温暖化による世界の洪水リスクの見通し』によると、世界で洪水に遭う恐れのある人口は2013年時点で約560万人なのが、2度の気温上昇で約3,000万人、4度の上昇で約6,000万人に急増すると発表されている。


膨らむ水の需要

水に対する需要は世界中で年々増え続けている。現在は、農業用水7割、工業用水2割、そして残りの1割が生活用水といった割合で利用している。 今後は、新興国での急速な経済発展と、所得の増加に伴う生活スタイルの変化により、工業用水と生活用水の利用が増加する見込みだ。また、農林水産省の発表によると、世界の人口は2050年に91億人に到達すると予想され、 生活用水の需要が爆発的に増える可能性が高い。

このような中、今注目を浴びているのが水ビジネスだ。市場規模は2025年には87兆円にまで膨らむと期待されている 。


水メジャーの台頭

ひと口に水ビジネスと言ってもいくつかのパターンがある。1)上下水道設備、2)海水の淡水化プラント、3)工業用水、4)下水の再生・再利用といったものだ。この中で一番規模が大きいのが1)の上下水道設備で、市場全体の約9割を占める。

東南アジアなど新興国は、上下水道の整備が圧倒的に遅れており、洪水の影響を非常に受けやすい。現在は、フランスのGDFスエズグループやヴェオリア・エンバイロメントといった水メジャーと呼ばれる欧州企業が台頭している。また、ドイツ、シンガポール、韓国からも、魅力ある水ビジネスに参入する企業が相次いでいる。


技術を核に参入する日本企業

海外企業だけでなく、日本企業も水ビジネスに徐々に参入している。日本は、膜処理技術で6割のシェアを占め世界をリードする。また、水道管の品質が良く、漏水率は世界トップ水準。工業用水の再利用技術や省エネ技術も最も優れている。日本の水ビジネス関連企業は、日揮 <1963> や三菱商事 <8058> が出資する水ing、日本ガイシ <5333> と富士電機HD <6504> が設立したメタウォーター <9551> 、そして日立製作所 <6501> などだ。世界の水メジャーに対し、日本でも水メジャーとなりそうなプレーヤーが育っている。

また、このような高い技術力を持つのは企業だけでない。 水道がほぼ民営化されていない日本では、自治体も水道事業の実績やノウハウをもつ。 いくつかの自治体は下水道整備をメインに新興国で事業を展開しており、企業と自治体が一体となって海外での水ビジネスを推進している。


今後の進出対象はどのような国か

今年のCOP21は、温室効果ガスの削減数値目標を設定するということで、注目が集まっている。急速な経済発展を遂げる新興国は、そもそも先進国の様々な技術を必要としていた。そこに、人々を洪水などから守り、良質な水を供給する必要性が加わるため、自治体及び企業の水ビジネス参入のチャンスは大きい。

今後、水ビジネスを進めていくとしたら、どのような国が望ましいだろうか。経済が成長し、かつ上下水道設備が未整備な国が適する。 一つは、インドだ。世界で最も人口が多い国だが、下水道の普及率は3割程度と低い。さらに中小・零細企業が多いため、大いに参入のチャンスがある。そして、次に挙げる進出対象は、東南アジア諸国だ。

世界トップの技術を有するものの、これまで総合力で負けていた日本企業。温暖化による需要の底上げにより、活発な海外進出が期待される。今後ますます拡大の様相を見せる水ビジネス市場。非常に魅力的な市場といえるだろう。(ZUU online 編集部)

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