昨年から今年にかけて、J-REITの東証REIT指数は2014年1月の1,497ポイントから2015年1月の1,887ポイントと、1年の間に26パーセントも上昇した。収益物件の価格が上昇した1年であったと言える。

昨年の初めに収益物件を購入した人はキャピタルゲインを得られた可能性があるが、このキャピタルゲインはどのようなメカニズムで生じたのであろうか? 今回はそのメカニズムを探ることによって、「キャピタルゲインもしくはインカムゲインの狙いを定めて不動産投資ができるかどうか」の可能性について見てみることにする。


収益物件が値上がりした原因は何か?

まず、収益物件が値上がりした原因として、土地の値動きが影響したのかどうかを調べてみたい。なぜ土地かと言うと、不動産は土地と建物から構成されるが、建物は通常、経年劣化とともに価値が下がるのが一般的だからだ。

つまり、値上がりする原因があるとしたら、建物の価値の下落以上に土地の価値が上昇していたためと考えられる。バブル時代には“土地神話”という言葉があったように、かつては土地の値上がりが不動産価格全体の値上がりに寄与していた。


土地の値上がりとの関係は

そこで、昨年とくに値上がりした地価公示ポイントを見てみることにする。木浦税務不動産鑑定事務所が運営する「あなたの街の地価ランキング・地価マップ」サイトによると、2014年から2015年にかけて最も地価が上昇した地点は「石川県金沢市広岡1-1-18」で、対前年の上昇率が17.1パーセントとなった。2位が「福島県いわき市泉もえぎ台1-25-8」で、上昇率は1位と同率の17.1パーセント、3位が「愛知県場名古屋市中村区椿町15-2」の16.8パーセント。

そして、4位にやっと東京都が入ってくる。「中央区銀座4-5-6」、上昇率は14.2パーセントだ。なんと、東京都は地価上昇率のベスト10の中に、銀座エリアの3つしか入っていない。オフィスや住宅のアセットタイプが多い東証REIT指数の値上がり率からすると、地価の値上がりとREIT価格の上昇の相関は低そうである。