優先株
優先株は、普通株式と比較しても剰余金の配当を優先的に受けられるが、残余財産の分配を優先的に受ける、もしくは両方について優先的に受けることができる株式のことを言う。
ただし、この株では株主総会において議決権を行使することはできない。預金保険法では、その発行の時において議決権を行使することができる事項のない株式で、剰余金の配当及び残余財産の分配について優先的内容を有するものと定義される特殊な株といえる。
劣後債
劣後債は、元利金の支払い順位が普通社債よりも低い社債であり、劣後特約付債券とも呼ばれるものだ。基本的に満期はなく、銀行などの金融機関が資本増強のために発行するのが通例となる。
劣後債は、破産手続の開始・会社更生手続の開始・民事再生手続の開始などの劣後事由が発生した場合に、その元利金の支払いを劣後債権以外の上位債権にかかる債務の履行よりも後順位になることから、その分普通社債よりも利率が高く設定されるのが特徴だ。
永久劣後債
永久劣後債は劣後債の中でも償還期限の定めがないものをいう。また発行会社が債務超過に陥った時あるいは分配可能額がない時などは、利払いを行なわなくてよいとされており、次回の利払い時まで延期が認められている発行側に有利な条件が認められたものとなる。
優先出資証券
優先出資証券は、債券と普通株の中間の性質を持ち優先株に類似した有価証券であり、共同組織金融機関の優先出資に関する法律に基づき発行されるものと資産の流動化に関する法律に基づき発行されるものがある。
三菱商事は、今回の発行でROEを低下させることなく、成長力と財務健全性を両立する資金調達手段として、今後も積極的にこうした社債の発行を進めていく方針を発表している。総合商社株は低迷することが多いが、こうした社債の登場でその相場状況が大きく変化することに期待したい。(ZUU online 編集部)