(写真=PIXTA)
最近、にわかに戸建賃貸が注目を浴びつつある。相続対策で、戸建賃貸を提案してくるハウスメーカーもある。せっかく自分の所有している土地の容積率が高いのに、わざわざ容積を使いきらない戸建賃貸という提案が逆説的なように思えてくる。
本来であれば、目一杯容積率を消化して、アパートを建てた方が良いのではないか。これから建物投資を行う人にとって、容積を消化しきるか、それとも余らせるかは大きな悩みどころである。そこで今回は、不動産投資と容積消化について考えてみることにしよう。
容積率とは
土地の価値を決める要素の一つに容積率がある。容積率とは延べ面積の敷地面積に対する建築物の割合である。つまり容積率が高いほど、高層ビルや高層マンションを建築することが可能であり、収益力も高まる。そのため土地の価値も容積率に比例して高くなる傾向にある。
この容積率については、都市計画法上の用途地域の区分けによって、ある程度決まっている。例えば戸建住宅が建ち並ぶ第一種低層住居専用地域の容積率は100%に指定されていることが多い。
一方で、マンションが建ち並ぶ第一種中高層住居専用地域の容積率は200%に指定されていることが多い。つまり自分の所有地が第一種や第二種の低層住居専用地域以外に指定されていて、かつ容積率が200%以上あれば、5階建て程度のマンションなら建築できる可能性は高い。