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『情報透明化時代へ』試行運用始まる不動産情報データベースとは

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(写真=PIXTA 本記事は週刊ビル経営6月8日号に掲載されたものです)

 中古住宅取引における不透明性の解消に向け、国土交通省が準備してきた「不動産総合データベース」がこの6月1日から横浜市で試行運用が開始されました。中古住宅取引時における情報開示に向けた本データベースの内容を取り上げたいと思います。

中古住宅取引量の倍増へ

 このデーベースを構築する背景を語る上でまず基本にあるのが、中古住宅市場を活性化させていくべき国側の事情です。先進国の中で、不動産取引の殆どを新築が占める市場は日本だけです。その率86%。人口が減少に転じた中、これ以上これまでのような新築供給が継続されると、2040年には空き家が4割を超えるという試算まで出ています。

 新築偏重市場と少子高齢化時代がもたらした空き家問題は待ったなしという状況で、国は現在ある住宅ストックをもっと流通させようとしています。それの中心になるのが「中古住宅・リフォームトータルプラン」です。

 この計画によって、我が国の中古住宅流通・リフォーム市場の環境整備を進め、中古住宅市場規模の拡大を通じた経済の活性化を目指すもので、具体的な施策により新築中心の住宅市場から、リフォームによる住宅ストックの品質・性能の向上、中古住宅流通により循環利用されるストック型の住宅市場への転換を図り、国の新成長戦略に盛り込まれた2020年までの市場規模の倍増を目指すものです。

不動産総合データベース整備の目的

 中古住宅の取引においては、購入判断に必要とされる情報が複雑かつ各方面に散逸しています。このことで不動産会社が売買時における調査や情報集約に係る負担やコストが大きいと言われています。結果、消費者に対して適切な時期に適切な情報が提供されづらいといった問題がありました。

 そのため、不動産売買に際して一元的に必要な情報を集約し提供するシステムを構築することで、不動産会社から消費者への適切な情報提供及びコンサルティングサービスが普及・定着することを目指しています。つまり、「不動産事業者の業務簡素化及びコンサルティングサービスの向上」というものです。

 そしてもう一つが、「消費者への適切な情報開示の仕組み」づくりです。これまでのような新築取引が殆どの不動産市場では、不動産会社の本音からすると、物件に関する建築情報から、土地に関する調査内容、測量や境界の問題も、すべて新築施工段階でクリアになっており、その情報を建築主等からもらえばいいのですから、大変楽なものでした。

 しかし、中古住宅の取り引きでは、そもそも新築当時の情報が現存しているかどうかわかりません。更には築後一定の年月が経過した建物の劣化状態はどうなっているかといった点を調査する必要も生じます。引き渡し後に発覚するかもしれない瑕疵の問題も想定しなければなりませんし、上下水道の調査、測量や境界の確定等々あらゆる業務が出てきます。

 そうした複雑かつ散在している情報の一元化による不動産事業者の業務簡素化を実現することで、本来行われるべき不動産コンサルティング実務に力を注ぐというビジネスフローを構築していきたいのです。

不動産総合データベースの概要

 この不動産総合データベースでは、各所に分散している不動産売買において必要な情報の数々を集約するとお話しました。この不動産総合データベースの利用者は不動産会社を想定しています。不動産会社がこの不動産総合データベースから取得した情報を消費者に対して提供する流れです。将来的にはこの情報の内、広く一般的な情報項目については直接消費者に提供することも視野にいれているようです(イメージ図1参照)。

イメージ1出典:国土交通省「不動産総合データベース(仮)の試行運用のお知らせ」より

 この不動産総合データベースを通じて得られる情報項目は、大きく分けると「物件情報」そして「周辺地域情報」ですが、当該物件の過去の取引事例、つまりいついくらで売買されてきたのか?という情報やマンションの管理情報や修繕計画、会計情報も含まれます。また、今回の大きな目玉ともいえるのが「住宅履歴情報」です。

 住宅履歴情報とは、建物についての新築時の設計図書や住宅性能に関すること、補修やリフォームの履歴や維持保全の計画といった情報で、今までは所有者によって保有されている情報の質と量にばらつきがあり、中にはすでにその情報すらないという場合もあるのが実態でした。現在中古住宅を売買する際には「現状有姿」というあるがままでの取引が横行しています。

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