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『情報透明化時代へ』試行運用始まる不動産情報データベースとは

 そもそも所有者が持っている情報と格差がある購入者や賃借人が、見たままの状況で判断をすることは不可能なことです。こうした現状が、正しい流通の活性化が実現しない大きな要因であったと言えるでしょう。なお、この「住宅履歴情報」を整備しているのが、一般社団法人住宅履歴情報・蓄積活用推進協議会です。

 この協議会には約80の会員が加盟し、日本唯一の住宅履歴情報に関する整備を行っている団体です。尚、平成二五年度には同協議会において、住宅履歴情報に関する必用項目等に関する「共通フェイスシート」を整備されています。今回の横浜市における試行運用にも協力しており、国土交通省による横浜市における試行運用に関するホームページが開設され、その中で同協議会による協力会員が公開されています。

 不動産会社はこの試行運用において売買される物件に住宅履歴情報を整備する際には、無料で情報登録が出来るというキャンペーンが展開されることになっています。また、もう一つの「周辺地域情報」に集約される情には、都市計画情報等の法規制や、ハザードマップや浸水想定区域といった災害に関す情報、そして公共施設、学区域情報、周辺の取引価格情報といった内容で検討が進んでいます(イメージ図2参照)。

イメージ2出典:国土交通省「不動産総合データベース(仮)の試行運用のお知らせ」より

全国への本格運用に向けて

 平成27年6月1日からスタートするこの不動産総合データベースの試行運用は、既に不動産関連団体への説明及び質疑を行い開始されました。今年度いっぱいをかけて情報収集・管理・提供に至る運営上の課題を把握し、システムの導入により期待される市場活性化への効果・メリット、課題や対応策の検討を行います。

 全国の自治体における都市計画規制や道路等のインフラ整備状況、ハザードマップ等の行政情報の整備状況を調査し、各自治体の有する行政情報の効率的な提供・活用のための方策やルールも検討するとしています。

 それらの検討を踏まえ、平成28年度に更にシステム内容の検討・開発を行い、平成30年度にシステムの本格運用開始を予定しています。その後、収集情報項目の拡充と、順次対象地域を拡大していく方向です。

 このデータベースが正しく運用され様々な情報が、物件探しの早い段階で消費者に提供されれば、正しい物件の判断が可能になるでしょう。公平かつ透明性高い中古住宅取引市場の形成が期待されます。

 20年以上も前からこうした仕組みはできている米国では、物件情報提供システムであるMLS(Multiple Listing Service)という制度がほぼ全ての州で導入されており、過去の売買に関する価格情報や所有者情報、洪水マップ等の災害リスク情報から、固定資産税に関する金額も入手が可能です。

 このMLSの仕組みが、米国における中古住宅市場の活性化に大きく寄与したことは間違いありません。こうした事例に倣い、我が国における不動産市場において、情報を優位に所有する売主及び不動産会社に対して、著しく情報格差のある購入者との差が埋まる事を期待すると共に、情報の優位性だけで勝ち残りをかけてきた不動産会社の正しいコンサルティング機能の向上と、サービス産業としての成熟を期待したいと思います。

<著者プロフィール>
高橋 正典 不動産コンサルタント。株式会社バイヤーズスタイル代表取締役。2000件以上の不動産売買に携わるなど、現場を最もよく知る不動産コンサルタント。NPO法人住宅再生推進機構専務理事、一般社団法人相続支援士協会理事。著書に「プロだけが知っている!中古住宅の選び方・買い方」朝日新聞出版、「不動産広告を読め」東洋経済新報社他

(記事提供:週刊ビル経営

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