(写真=PIXTA)
公認会計士と投資家の関係
公認会計士の主な仕事は、投資家に開示される決算書の監査を行うことです。具体的には、会社法に基づいて株主に送られる招集通知や、金融商品取引法に基いて公表されている有価証券報告書・四半期報告書に含まれる決算の数字に、誤りや不正がないかをチェック(監査)しています。
招集通知は、株主総会の2週間前までに送付されますので、3月決算の会社であれば、概ね5月末から6月上旬頃に手元に届きます。有価証券報告書は、決算日から3か月以内の提出が義務付けられており、一般的には株主総会後の6月下旬に公表されます。四半期報告書は、決算日後45日以内に公表されます。
このほか、証券取引所の規則に基づいて、決算日から45日程度で決算の概要(決算短信)が公表されます。なお、決算短信については公認会計士の監査は求められていません。
ディスクロージャー書類の活用
投資家の皆さんは、有価証券報告書等のディスクロージャー書類をどの程度活用しているでしょうか?
タイムリーな情報提供ではないので、投資には役立たないと思われるかもしれません。しかし、有価証券報告書は、企業に関する情報の宝庫で、会社の事業内容や社風、取り巻く環境要因等を詳しく知るのに有用な情報が盛りこまれています。しかも、株主でなくてもEDINETから容易に入手できます。無料で簡単に入手できる情報をさらに活用し、企業評価に役立ててはいかがでしょうか。
有価証券報告書の活用法
有価証券報告書には、企業を理解するための貴重な情報が多く記載されていますが、情報量が膨大であるために、逆にどこを読んだらよいのか分かりにくいという問題もあります。投資家の皆さんに役に立ちそうな情報をピックアップしてみましょう。
有価証券報告書の内容は、①決算状況を数値で示した『財務情報』と②文章による会社の説明である『非財務情報』に分けられます。『財務情報』には、会社の財産の状況(資産・負債)を表す貸借対照表、業績を示す損益計算書、資金の動きを示すキャッシュ・フロー計算書等が含まれます。『非財務情報』には、図表のような内容が記載されています。