逞しさを求める

中流階級から、今の自分がいる場所にのし上がってきた。 そのためには、ゼロから生み出すほどの、相当な逞しさを要したことでしょう。 よって、ご子息達にも、かなりの逞しさを望んでいらっしゃる方々が多いです。

「両親から、跡を継ぐ話は一度もされたことがありません。 よく『お前はぬるま湯で育ったから、無理だ』と言われました。 辛かったですね。 見返してやりたい、という気持ちは正直ありました。 今、劇団に所属するかたわら、バイトで食い繋いでます。」(旅行会社社長のご子息。現在劇団員)

「逞しく育てるために、とにかくスポーツをさせましたね。 縦社会でも生きていけるように。 今は銀行で頑張ってるみたいです。 男の子ですが、私より、礼儀がちゃんとしてるので、そのうち私の秘書にしたい、と思っています。 もちろん、ウチの会社が、そこまで魅力のある会社であることが前提なので、私が頑張るのが先ですよね。」(イタリア料理店社長)

「私は、根性は誰でも同じ量をもっている、と思いますが、それを引き出せるのは、本人だけなんですね。 息子は、僕の仕事には興味は無いようです。 最近、息子夫婦2人で弁当屋さんを始めたみたいなので、三食食べれる程度の最低限の生活は、黙って保障してあげたい、と思っています。私には少し反抗的ですが、根性はあるので、そんなに心配はしてないです。」(学習塾チェーン社長)

築いた資産の行方

お子様に「高い学力」と「逞しさ」を強く求められていますが、その一方で、お子様を会社の跡継ぎにしたいという意思はあまりもっていらっしゃらず、将来的には有能な部下等に任せよう、と考える方が多い のです。 よって、会社の財産は部下に引き継がせ、残りの個人財産のみを子供達に引き継がせよう、とお考えです。

最後に、お名前は出せず、また「自分は成功者ではない」と謙遜されたものの、ご協力いただいた皆様に、深く感謝いたします。

BY 飯川慶:日本とアメリカで育ちメキシコを放浪しその後、日本に帰国。そのあとは、香港の航空会社の客室乗務員に。27歳で英会話教室を初め、現在に至る。

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