先週発表された主な経済指標

◆ISM非製造業景況感指数 6月 56.0 市場予想 56.4 前月 55.7

6月のISM非製造業景況感指数は56.0と前月から改善したものの、市場予想の55.7を小幅に下回りました。指数の内訳を見ると、「新規受注」「業況」「入荷遅延」の3項目は前月から改善した一方で、「雇用」が55.3→52.7と悪化したことが指数の改善の足を引っ張った格好となりました。

ISM景況感指数が製造業・非製造業揃って前月から改善したのは昨年8月以来10ヶ月ぶりとなりました。冬場からの景況感の落ち込みが底入れし、改善に転じたのが鮮明となっており、米国経済にとって非常にポジティブなシグナルと言えます。

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今後発表される主な経済指標

◆6月 小売売上高(自動車・ガソリン除く 前月比) 市場予想 +0.5% 前月 +0.7%

14日に小売売上高が発表されます。5月分は前月比0.7%増と個人消費に復調気配がみられました。引き続き堅調に推移するかどうか注目されます。

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マーケットビュー

◆決算シーズン本格化 減益予想も心配は不要

先週のマーケットビューでは、ギリシャ問題の余波で週の前半は軟調な推移が予想されるものの、直近の経済指標が好転していることから、そうした局面は押し目買いの好機ではないかと記しました。実際には中国株安の深刻化という新たな材料によってダウ平均は1万7500ドル程度まで下落しましたが、その後持ち直して取引を終えています。

今週から米国企業の4-6月期の決算発表が本格化します。トムソン・ロイターの10日時点の集計によれば、S&P500採用企業の純利益は前年同期比2.9%の減少と、減益が見込まれています。ただ、以下の表の通りセクター別の業績動向を確認すると、減益のほとんどは原油安に伴うエネルギーセクターであり、大きな不安を抱く必要はありません。

引き続き、経済指標の好転を根拠に、米国株に対してやや強気な見方を維持しています。

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益嶋裕
マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部

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