7月1日、サウジアラビアの富豪で投資家のアルワリード・ビン・タラール王子は、個人資産320億ドル(約3兆9500億円)の全額を、段階的に慈善事業に寄付する方針を明らかにした。

また、バークシャー・ハサウェイの総帥であるウォーレン・バフェット氏も、7月6日に28億4000万ドル(約3480億円)相当の自社株をビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団と、家族が運営する4つの慈善団体に寄付している。

これは、資産の大半を譲るという同氏の計画の一環だ。バフェット氏の寄付は今回ですでに10回目。これまでの総額は215億ドルにも上っている。

裕福な資産の一部を慈善事業に寄付するのは理解できる。だが、これだけ多額の資産を寄付するという発想は一体とこからきているのか。これは誰しもが抱く疑問ではないか。ここに、富裕層独自の考え方が隠されているともいえるのだ。

日本には馴染みがない言葉?「フィランソロピー」

欧米のメディアには、フィランソロピーという言葉がたびたび登場する。これは慈善事業にあたるもので、世界では多くの名だたる富豪がこうした慈善事業に莫大な金額を寄付するため、日々の報道で目につくことになる。ビジネスの成功者にとってはもはや定石ともいえるが、こうした行為が積極的に行われるのだろうか。