今後発表される主な経済指標

◆8月1日 中国製造業PMI 7月 市場予想 50.1 前月 50.2

政府発表の製造業PMIが日本時間8月1日の10時に発表される予定です。先週、発表されたCaixin中国製造業PMIは前月から大幅に悪化しましたが、政府が集計するPMIも同様に好不況の節目である50を下回る悪化がみられるかが注目されます。市場では50.1と前月からの小幅な悪化が予想されています。

cn20150727_11


マーケットビュー

◆中国株 一進一退か 中国製造業PMIや企業決算に注目

本土市場では上海総合指数が1週間で2.8%高と3週続伸となりました。これまでの中国政府による株価対策に加え、公的年金基金による株式運用の拡大観測も出たことで投資家心理が一段と改善したほか、産業振興政策や国有企業の改革進展への期待もあって買いが入り、相場全体を押し上げました。

上海総合指数は一時4,200ポイントに迫る場面もありましたが、7月のCaixin中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が市場予想を大きく下回ったことが嫌気されたうえ、高値警戒感から利益確定の売りが週末は7営業日ぶりに反落となりました。

今週は強弱材料が交錯し、中国本土市場は一進一退の展開となりそうです。先週のCaixin中国製造業PMIの悪化で経済減速懸念が再び燻る中、上海総合指数が依然として高値圏にあることもあり、今週も利益確定売りが出やすい環境が続きそうです。

一方で輸出のコスト引き下げを発表した国務院の輸出促進意見や、人民元の変動幅の拡大などの改革措置で輸出増加への期待が高まりそうなこと、国際通貨基金(IMF)の報道官が「最近の中国金融市場の乱高下が特別引き出し権(SDR)の構成通貨への人民元の採用に関する評価への影響はない」と述べたとの報道、さらに金融危機によるGDPの減速が30%に達しても「中国国家貸借対照表2015」では352.2兆元(約7044兆円)の純資産があり1.5回の金融危機に対応できるとの中国社会科学院の報告などが相場の支えとなりそうです。

先週の香港市場でハンセン指数は反落しました。22日に欧米株安や米マイクロソフトとアップルの業績懸念が重荷となり1%近く下げると、週末も7月のCaixin中国PMI速報値の大幅悪化が嫌気され1%を超える下落となりました。ハンセン指数は週間で1.1%安となっています。

先週末の欧米株の軟調な流れを受けて、今週のハンセン指数は節目の2万5,000ポイント割り込んでのスタートなりそうです。こうしたなか今週の香港市場は、中国本土の株の動向や、FOMC後の結果発表、米国の4-6月のGDP発表などを睨みながらの展開となりそうです。

また、米国で決算発表が一段と本格化するうえ、香港でも決算発表が始まります。30日に恒隆地産(ハンルン・プロパティーズ、不動産管理・開発、0101)の業績発表があり、目が離せません。なお、8月1日の中国政府が集計している製造業PMIの発表が予定されています。

林宇川(TonyLin)
マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部

【関連リンク】
商品市況は安定するか
この半月余りの相場を覚えておこう
雇用統計の結果~9月利上げなのか~
日米とも焦点は徐々に企業決算に移るか
FOMC次第だが、概ね順調に推移する決算から依然強気