市場の市場心理を掴むことは、投資にとってきわめて重要な要素のひとつである。特に、最近のように先のわかりにくい相場状況において市場心理を掌握することは非常に重要だ。

こうした市場の心理を読むものとしてプロの投資家を含めて重用されているのが、VIX指数やリスク選好指数、プット・コールレシオの3つを紹介したい。

VIX指数(Volatility index)

VIX指数とは、このVIX指数は投資家心理を示す数値として利用されるようになっており、別名恐怖指数とも呼ばれ、シカゴ・オプション取引所が作り出したボラティリティ・インデックス(Volatility index)の略称のことをいう。

VIX指数は、S&P500を対象とするオプション取引の値動きをベースとして算出されているもので、常にリアルタイムで公表されている。平常時は10から20の範囲内を動くとされているが、相場の先行きに大きな不安が生じてくるとその数値が大きく上昇するのが特徴で、だれがみても不安が高まっていることがよくわかるようになっている。

過去のVIX指数では、1997年のアジア通貨危機のときが38.20、翌年98年8月のロシア通貨危機の際には45.74に上昇している。2001年のアメリカ同時多発テロの際は43.74、エンロン不正会計事件の際は45.08、2008年10月のリーマンショックが起きたときは、89.53と過去最高を記録している。ちなみに現在は、13前後を推移している。

このように、金融市場に大きな影響を与えるリスクが生じたとき、この数字はきわめて大きくなることがわかっている。ちなみにこのVIX指数というのは、先物のCFD(=Contract for Difference、差金決済取引)で売買される商品にもなっている。

CFD売買のできるブローカーであれば直接売買することも可能だ。市場全体が荒れてきて先行きの見通しが立たないときなどには、こうしたVIX指数先物を買うことでヘッジとして一定の効果をあげるといった使い方もできるのだ。