リスク選好指数(Credit Suisse Risk Appetite Index)

リスク選好指数とは、英語でCredit Suisse Risk Appetite Indexと呼ばれるもので、クレディ・スイス銀行が発表している経済指標のことをいう。

世界の金融市場の動向をもとに、市場参加者のリスク選好度を指数化したもので、金融関係者の間ではよく使われる指数となっている。この数値がプラスのときはリスクを選好し、マイナスのときはリスクを回避している状況とみなされる。

一般的にはマイナス3からプラス5の間を動くことになるが、大きなリスクが生じるとその数値は劇的に変化することになる。VIX指数のところでも過去最大となったリーマンショックの前、つまりサブプライムローン問題が表面化するまでの市場はリスクに対する心構えがなく、このリスク選好指数は+8まで上昇していた。

しかし、リーマンショック直後は一転して-6まで大幅に下落することとなる。このように、リスク選好指数がプラスで推移しているときには市場参加者の警戒感はほとんどなく、リスクオン相場が展開することとなる。

一方、マイナスの数値が大きくなればなるほど、リスクオフで資金を安全資産に逃避させる動きが顕在化することとなる。直近では、米国債が積極的に買われるようなタイミングはリスクオフモードといえる。

プット・コールレシオ

プット・コールレシオとは、オプションやeワラントの取引において、売る権利を意味するプットと買う権利を意味するコールの取引量を指標化したもので、相場の過熱感を客観的に判断できる指標として利用されている。「プットの売買金額÷コールの売買金額」で算出される。

相場に弱気な投資家の場合には、相場下落時に価格が上昇するプットを購入することになる。一方、強気な投資家の場合には、相場上昇時に価格が上昇するコールを購入することになる。プット・コールレシオは、プットの取引量をコールの取引量で割って市場のセンチメントを掌握しているものである。

したがって、プット・コールレシオが高いということは、プットを買う弱気な投資家が多いことを示唆している。反対に、プット・コールレシオが低いということは、コールを買う強気な投資家が多いことを示唆している。

最近では、日経225のプット・コールレシオをeワラント証券が随時開示しているので、これをチェックしていれば国内相場のセンチメントを理解することが可能となる。

このように、3つの指標はそれぞれ利用している数値データが異なるものの、それぞれに市場における投資家のセンチメントを掌握できるものとなっている。

どれがもっとも優れているといった優劣はつけられないが、毎日見ることによりどんな時に数値が上昇するのかを理解することができ、より正確に利用していくことが可能になるだろう。(ZUU online 編集部)