コンビニサービス
(写真=Thinkstock/Getty Images)

コンビニの「宅配サービス」が広がり、進化を見せている。既にコンビニは飽和状態と言われるほどに増え競争が激化しており、各社とも商機を店外に求めている。これは消費者のニーズにもマッチしている。少子高齢化が進み、単身、高齢、ひとり親と子どもだけの世帯の割合が増えており、身近な存在であるコンビニの商品が届けられるのは便利だからだ。最近では、単に商品を配達するにとどまらなくなっている。


「ラストワンマイル」を握る競争

大手コンビニのローソン <2651> は、佐川急便の持ち株会社であるSGホールディングスと業務提携、新会社「SGローソン」で「SGローソン マチの暮らしサポート」なるサービスを開始した。ローソンで販売している商品と、佐川急便の宅配荷物を届けている。対象地域は半径500メートル。コンビニが店舗から外に飛び出して、地域の家庭との接点を増やすこの新しい試みは、2015年7月に東京都世田谷区の12店舗からスタートしている。2016年夏までに首都圏を中心に100店舗、2019年までに3,000店舗に広げる計画だ。

従来、宅配サービスは食品・惣菜などを配送するだけだったが、このサービスは、地域で暮らす世帯の“御用聞き”になろうとしている点が特徴だ。配達時に、玄関口で次回の注文を受け付けるなど、各世帯の一つひとつの要望にこたえるといい、「家事代行」まで受け付ける。家のクリーニングや電球の取り替え、水まわりのトラブル解消、鍵の交換、ペットの散歩の代行などをする。SGローソンは注文を取り次ぎ、提携事業者がサービスを提供する。

コンビニが家事代行を始める意図は何だろうか。ローソン広報は「1万2,000軒の店舗数、物流、配送のシステム、約3,000点の豊富なアイテム。カードデータ(ローソンPontaカード)による顧客ニーズの把握。そういう強みを生かして、地域の利便性が高い“ラストワンマイル”を目指します」との回答で、宅配の重要性を認識しているとのこと。さらに「コンビニ自体がインフラとして根付いていますから、総合型の御用聞き基盤を確立したい、という想いから始まったサービスです」(ローソン広報)という。


安否確認まで行う「ちょっとお節介な弁当屋」も

ファミリーマート <8028> は、「宅配クック123(ワン・ツゥ・スリー)」を運営するシニアライフクリエイト(東京都港区)の主要株主として宅配分野に関わっている。高齢者向けの弁当を宅配、“ちょっとお節介な弁当屋”を掲げ手渡しで弁当を届けている同社だが、食事の配達だけではなく、安否確認や認知症対策も同時に行っている。

セブン&アイ・ホールディングス <3382> が展開する国内最大手セブン・イレブンは、コンビニ宅配の先駆的なサービス「セブンミール」を提供。500円(税込)の買い物から送料無料であり、朝9時30分までに注文すると、当日の夕食分を届けてくれるため、高齢世代の利用者が多いという。

これまでは、近くに店舗がある便利さや、品揃えの豊富さなどでファンを増やしてきたコンビニ。近所の店舗から商品を配達し、その際に御用聞きをし、地域の世帯、個人と“顔が見える”つながりを生み出そうとしている。こうした消費者の暮らしと直接つながる“ラストワンマイル”の需要の掘り起こしは、生き残りをかけたコンビニの方針と、より便利さを追求する消費者のニーズがマッチしている以上、今後も拡大するだろう。(ZUU online 編集部)

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