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平成25年度の税制改正の概要

大変残念なことに、相続税の増税がついに決定してしまいました。富裕層の皆さんにおかれましては増税は深刻な問題であると思われます。筆者は税法に少し詳しい者なので、今年の税制改正の骨子とその対策について簡潔に論じてみましょう。

今年の法改正最大のポイントは基礎控除額の大幅な改正です。相続税は相続人の全てに課せられるわけではありません。相続する財産が一定の額を超過すると相続税を課せられるのです。なら、「一定の額以下なら税金は課せれれないの?」と思いませんか。そのとうりです。この一定の額のことを税法では基礎控除と呼ぶのです。

現行の基礎控除の計算方法は1000万×法定相続人の数+5000万で求められます。
例えば、夫が亡くなり妻と子2人が相続人だった場合は1000×3+5000=8000で8000万の基礎控除となります。夫の残した課税財産価格が8000万円以下なら非課税、8000万円以上なら相続税の申告をする必要があります。

今回の法改正により、相続発生日が平成27年1月1日以降のものの基礎控除計算方法が変わり、控除額が大幅に引き下げられました。これは実質的に増税と呼んでもよいでしょう。 このレポートの表題は「富裕層の皆様へ」としましたが、相続税に悩むのは圧倒的に富裕なる納税者の皆さんです。

現行の控除計算では、相続税の申告をされる相続人は約4.1パーセントにすぎませんが、この改正により申告者は7パーセント超になるであろうと試算されています。相続税の申告者が急増することは、富裕なる読者の皆さんにとっては「申告ならぬ深刻な状況」なのです。


税法改正後の基礎控除額の計算方法

平成26年12月31日までは現行の計算方法が適用できますが、平成27年1月1日以降は次のように計算方法が改正されます。

新算出法
3000万+法定相続人の数×600万

先の遺族の例で計算すると3000+3×600=4800となり、3200万円も控除額が減らされ申告者の裾野が拡がったことが分かります。


大増税時代に備える知恵

今回の相続税増税に続き、近いうちに消費税も上がり証券税制も特例が廃止される見込みとなっています。 増税の悪影響をまともに受けそうな私たち富裕層はただ手をこまねいていて見ているだけでいいのでしょうか?それはいけません。幸いにも私たち富裕層には、過去富を蓄えた知恵と工夫があります。職業会計人の間では、工夫や情報を用いて税金を安くあげる行為を節税と呼び、また偽装を用いて税の軽減を図ることを租税回避行為と呼んでいます。

ここでは租税回避行為の解説はできませんが、節税の提案なら可能です。では私と一緒に、国税の節約を考えていきましょう。