住宅ローン控除
(写真=PIXTA)

「いつか自分の家を持ちたい」と考える人も多いのではないだろうか。最近ではそういった風潮もいくぶん弱まってきたが、一昔前までは「家を持って一人前」という考え方もあったくらいだ。そういった考えから家を欲している人もいれば、純粋に自分の住まいがほしいという人もいるだろう。

しかしながら、家というのはほしいからといってそう簡単に購入できるものではない。「人生におけるもっとも大きな買い物」という表現があるように、それだけ多くお金が必要になってくるものだ。

家を購入するとして、現金で一括購入が出来る人は稀であろう。概して多くの人が住宅ローンを利用することになる。そこで知っておきたいのが「住宅ローン控除」についてである。


そもそも住宅ローン控除とは何なのか?

「住宅ローン控除」や「住宅ローン減税」と呼ばれているが、正式名称は「住宅借入金等特別控除」。簡単に言うと、住宅ローンを利用して家を購入した場合に、その残高から所得税が一定の割合で控除される。この控除を受けることによって家計への負担を軽減することができるという制度だ。

ただ、あまり多くを期待してしまうと、肩透かしをくらうかもしれない。あくまでも「一定の割合での控除が受けられる」という程度に考えておくものである。

とはいえ、住宅ローンを組むと、その後の生活においてかなり大きな負担となるものだ。少しでも軽減できるのであれば、控除を利用するに越したことはないだろう。

ただし、これは申請すれば誰でも利用できるものではない。条件があるのだ。


住宅ローン控除を受けるための条件

では、住宅ローン控除を受けるための具体的な条件とはどのようなものだろうか。新築や中古、リフォームなどによって条件が異なってくるため、自分に当てはまる条件があるかどうかをきちんと調べていく必要がある。

≪ 新築の場合 ≫

まず「新築した日、または取得した日から半年以内に入居している」ということが条件となる。所得についても、「借り入れした人の合計所得金額が3,000万円以下であること」が条件として挙げられている。ローンの返済期間についても「10年以上であること」としている。

細かい部分になると「床面積の半分以上が自分の居住用である」といった条件もあるが、大まかな条件としてはこのような内容となっている。

≪中古の場合≫

中古住宅の場合、さきほどの新築の場合に加えてさらに満たすべき条件が加わることになる。

重要なのが「贈与された家ではない」という点である。生計をともにしている親族などから購入した場合には、条件を満たすことにはならないのだ。あくまでも「自身で購入した家であること」が条件になるのだ。

また、耐火建築物の場合は「取得した時点で築25年以内であること」が、耐火建築物ではない場合には「取得した時点で築20年以内であること」、または「一定の耐震基準を満たしていること」が求められる。

≪リフォームの場合≫

住宅ローン控除は、条件を満たせばリフォームなどでも利用することができる。この場合も、中古と同様に新築の場合の条件を満たしていることが前提となる。それに加えていくつかの条件を満たす必要がある。

まず、「工事費用が100万円以上であること」が求められる。また、「自分が所有し、かつ自分が居住する家のリフォームであること」も条件になる。

その他には「一定以上の規模でのリフォームであること」も求められる。大まかな条件としてこのような感じだ。


是非利用しておきたい住宅ローン

このように、住宅ローン控除を受けるには結構な数の条件を満たしておかなければならない。そうであっても、もし条件を満たしている可能性があるなら住宅ローン控除は積極的に検討していきたいものである。

住宅購入というのは、本当に大きな買い物だ。だからこそ、控除を受けられるなら受けて、少しでも家計への負担を減らしておくのが将来を考えても賢い方法と言えるだろう。住宅ローンの申し込みをしたときは大丈夫であったとしても、経済状況が変わって返済が苦しくなるという可能性も、ゼロではないのだから。

条件が多すぎて面倒に感じるかもしれないが、これは恵まれた制度であると言っていい。大切な住宅とお金に関することだからこそ、今一度じっくりと考えていきたいものである。

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