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(写真=PIXTA)


コアCPI上昇率はゼロ近傍の推移が続く

総務省が8月28日に公表した消費者物価指数によると、15年7月の消費者物価(全国、生鮮食品を除く総合、以下コアCPI)は前年比0.0%(6月:同0.1%)となった。上昇率は前月から0.1ポイント縮小したが、事前の市場予想(QUICK集計:▲0.2%、当社予想は▲0.1%)を上回る結果であった。

消 費 者 物 価 指 数 の 推 移

コアCPI上昇率は15年入り後、ゼロ近傍の動きが続いている(1月から5月までは消費税の影響を除くベース)。食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合は前年比0.6%(6月:同0.6%)、総合は前年比0.2%(6月:同0.4%)となった。

コアCPIの内訳をみると、電気代(6月:前年比▲1.5%→7月:同▲3.8%)、ガス代(6月:前年比▲2.9%→7月:同▲4.8%)ガソリン(6月:前年比▲14.2%→7月:同▲15.2%)、灯油(6月:前年比▲21.1%→7月:同▲21.4%)の全てが前月よりも下落幅が拡大したため、エネルギー価格は6月の前年比▲7.0%から同▲8.7%へとマイナス幅が拡大した。

一方、3月の前年比0.9%(消費税の影響を除く)から6月の同1.7%まで上昇ペースの加速が続いていた食料(生鮮食品を除く)は前年比1.6%と伸びがやや鈍化した。コアCPI上昇率を寄与度分解すると、エネルギーが▲0.86%(6月:▲0.68%)、食料(生鮮食品を除く)が0.36%(6月:0.36%)、その他が0.50%(6月:0.42%)であった。

消費者物価指数(生鮮食品除く、全国)の要因分解


物価上昇品目数がさらに増加

消費者物価指数の調査対象524品目(生鮮食品を除く)を、前年に比べて上昇している品目と下落している品目に分けてみると、7月の上昇品目数は344品目(6月は329品目)、下落品目数は133品目(6月は149品目)となり、上昇品目数が前月から増加した。

上昇品目数の割合は65.6%(6月は62.8%)、下落品目数の割合は25.4%(6月は28.4%)となり、「上昇品目割合」-「下落品目割合」は40.3%(6月は34.4%)であった。

食料品の値上がりが目立っているが、トイレットペーパー、ポリ袋などの日用品、宿泊料、テーマパーク入場料、月謝類などのサービスでも幅広い品目で値上げが行われている。コアCPI上昇率は前年比でゼロ近傍の動きが続いているが、品目数でみれば上昇品目数が下落品目数を大きく上回っており、物価上昇の裾野は広がっている。

消費者物価(除く生鮮食品)の「上昇品目数(割合)-下落品目数(割合)」