グローバル・マクロ・ビュー(世界経済の基本観)
◆日本(前回から変更なし)
日本では4-6月期GDPのマイナス成長に続き、28日発表の7月の消費指標(全世帯家計調査)が前年比マイナス、31日発表の鉱工業生産も前月比マイナス、更にコアCPIも前年比ゼロ%と、市場では追加緩和期待が高まりつつあります。
もっとも、黒田総裁は27日に追加緩和なしで2%のインフレ目標達成が可能と発言しており、市場の追加緩和期待をなだめようとしているとみられます。先週の大幅円高は一服しましたが、アジア通貨安が進行する中で円が上昇したり、本邦株価の下落が続いたりすると、日銀の姿勢に変化が出てくる可能性があります。
◆米国(9月利上げ期待が再び高まる)
先週の世界株安が一服する中で、米経済指標面でも、4-6月期GDPが前期比年率+3.7%へ大幅に上方修正されたり、フィッシャー・FRB副議長が9月の利上げ開始の可能性を排除しなかったことで、9月利上げ開始期待が再び高まっているようです。
◆欧州(追加緩和期待が徐々に強まる)
ユーロ圏では原油安やユーロ高の影響でインフレ率が再びマイナス化するリスクが高まっている中で、ECB量的緩和プログラムの拡大・延長への期待感が徐々に高まっています。複数のECB高官が追加緩和の可能性を匂わせています。
◆新興国(前回からの変更なし)
中国では輸出入、鉱工業生産や固定資産投資などの主要経済指標が軒並み市場予想を下回り景気減速懸念が高まっています。
8月11日に人民銀は人民元の切り下げを行いましたが、完全自由化に向けた一歩とみるべきで、切り下げ幅は小幅で他のアジア通貨安もあって景気対策としての効果は非常に限定的とみられます。株価の下落が止まったのか不透明な中、当局による追加的な財政刺激や金融緩和(利下げ、預金準備率引き下げ)への期待感が高まっています。
マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部
【関連リンク】
・
下げ止まりの兆し - ジョージ・ソロスの市場理論
・
リーマン・ショックを乗り切り高い飛躍をとげた銘柄たち
・
9月利上げは確実なのか?~気になる2つの指標~
・
ようやく底打ちか 雇用統計に注目
・
中国株 抗日戦勝記念式典を迎え堅調推移か 中国製造業PMIに注目