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(写真=ZUU online編集部)

牛丼大手3社の8月の売り上げがそろって前年比増となった。吉野家ホールディングス「吉野家」、ゼンショーホールディングス「すき家」、松屋フーズ「松屋」の3大チェーンがそろって、全店売上高、既存店売上高共に前年比で増えた背景にあるのは、値上げや高単価メニューの投入による客単価増だけではなく、客数の改善施策が大きな要因となっている。


3社とも客数は減少したが、客単価が増えた

売り上げをアップするには、客数か客単価のいずれかを増やすしかない。 各社とも客数は減らしたものの、客単価がそろって前年8月に比べて増えている。

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客数の変化では、吉野家が2.7%減らして97.3%、松屋が1.0%減の99%、すき家が5.6%減の94.4%という結果である。

客単価を最もアップさせたのは吉野家で、前年比18.5%増。客数のマイナス要因をものともせず、売り上げを前年に比べて15.4%も増加させた。すき家も吉野家と同じ傾向で、客単価9.6%増が客数の5.6%減を補って、売り上げを前年に対して3.5%増加させている。

客数の前年比実績が一番良かったのは松屋の-1.0%。客単価はわずか2.5%しか増えなかったのだが、結果として売り上げは1.4%増になっている。

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3社の8月の施策は?

吉野家は7月27 日(月)から全店で「麦とろ牛皿御膳」「麦とろ鰻皿御膳」を発売し、8月 26 日(水)時点で300 万食 を突破した。いずれもカロリーを控えめにした食べ応えのあるヘルシーメニュー。これが顧客に高く評価され、客数前年比を大きく改善し、売上増となった。

松屋は、8月17日(月)から24日(月)まで、定番定食メニュー「カルビ焼肉定食」を期間限定50円値引き。さらに24日(月)から31日(月)まで、「牛焼肉定食」を同じく期間限定50円値引きにしている。値引き効果で客数は、他の2社ほど下がらなかったが、客単価の伸びも抑えられてしまったようだ。

すき家は8月5日(水)から31日(月)まで、人気アニメ映画とコラボレーションキャンペーン「弱虫ペダル×すき家 オリジナルミニどんぶりが当たる」を展開。これは購入を条件とした投票方式。税込500円以上の購入を条件にして顧客単価を維持した。

これらの結果から分かるのは、3社の中で最も売上増だった吉野家の強さだ。客数は減らしたものの、顧客に評価される高単価メニューが、ファンの足を全国各地の店舗に運ばせたことになる。(ZUU online 編集部)

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