(写真=PIXTA)
東京証券取引所は、9月24日連休明けに株式取引のシステム「arrowhead」をリニューアルする。基本方針として、下記の3点を掲げている。
①信頼性の向上
コネクション異常切断時注文取消機能、注文抑止・取消機能、ユーザ設定型ハードリミットなど
②利便性の向上
呼値の単位の適正化、連続約定気配の表示条件の追加
③システム処理能力の向上
スピード改善とキャパシティの拡張性確保
この他に、個人投資家にとっての影響としては、アクセスできる複数気配情報を上下8本から10本に増やすという「FLEXサービスの拡充」がある。
以上のうち、呼値(売買価格の刻み幅)の変更は、フェーズ1(2014年1月)、フェーズ2(2014年7月、TOPIX100構成銘柄のみ)と縮小方向で行われてきたが、今回は TOPIX100構成銘柄の一部の株価帯を対象に拡大することとなった。縮小し過ぎた分の見直しということだ。
9月18日現在の株価でみると、3000円超~5000円以下の19銘柄が 0.5円から 1円に、30000円超~50000円以下に該当するファーストリテイリング <9983> の1銘柄が 5円から10円へ呼値が変更される。
実際にこれらの株のザラバ中の板を見ると、かなり目がチカチカしてしまう。FLEXで提供される複数気配情報は注文のない価格を省略して8本ずつ表示されるので、価格表示が目まぐるしく変わる。変更は、価格の刻み値変動率にして 1.0~1.7bp(=ベーシスポイント、bpは100分の1%)から 2.0~3.3bp への拡大に相当するが、変更後でもかなり小さく、それほど大きな変化を与えないと思われる。
他の価格帯にも刻み値変動率が同様に小さいところがあるが、それでも行われる今回の微調整にはむしろファーストリテイリング対策といった側面がありそうだ。