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(写真=Getty Images)

9月11日、ソフトバンク <9984> の株価が突然、乱高下した。一時、前日比10%近く上昇し6748円の高値をつけたが、6363円に急落後、結局、前日比5.8%高の6513円で引けた。

ことの発端はどうやらその日のブルームバーグの報道にあったようだ。同記事によると、ソフトバンクグループの孫正義社長が経営陣による自社買収(MBO)を検討、海外の出資候補者と協議したが条件面で折り合いがつかず断念した、という内容。複数の関係者の話として伝えた。

この報道に関しソフトバンクが正式なコメントを発表していないことから、真相は依然として闇の中。ただ、孫社長はこれまでもことある毎に同社株が過小評価されていると不満を漏らしていた。

今年8月に自社株買いを発表した際も、その理由を「他の投資に比べて一番、投資リターンが良い」とし、これに先立つ2008年のリーマン・ショック後には、実際にMBOを検討していたことも明らかにしている。

こうみると、今回の報道の信憑性はそれなりに高いとみてよさそうだ。実現すれば買収総額6兆円を超えたであろう世界最大級のMBOは幻と消えたが、MBOについて考える良い機会を与えてくれたのではないだろうか。


そもそもなぜMBOするのか?

MBOはManagement Buyoutの略で、M&Aの一種。会社の経営陣もしくは事業部門のトップが、自社株式や会社の一事業部門を買い取り、経営面で独立する手法だ。

上場企業の場合、これにより株式が非公開になる。買収金額が多額であれば、新経営陣が事業資産や将来の利益を担保に借り入れをしたり、高リターンを狙う投資ファンドなどが資金支援を行うケースがある。

MBOを行う動機は大きく分けて4つ。①経営の自由度・機動性を高めて企業価値を上げる、②再建に専念する、③親会社が本業に集中する、④買収リスクを回避する、などだ。

上場企業では、株主は機関投資家や金融機関、一般投資家など多種多様で、企業への要求は一律でない。経営者はこれらの利害を調整しなければならず、事業に最善の方策を素早く実行するのに支障が出ることがある。

このような場合、経営者や同じベクトルを持つ経営陣がMBOを行えば意志決定がスムーズに進み、ひいては企業価値が上がる可能性がある。

これは再建企業・部門でも同様だ。株主もしくは親会社が、短期的に利益を損なう抜本的改革に反対して再建がおぼつかない場合、MBOに踏み切れば再建に専念できる。上場企業であればその管理やIR(投資家向け広報)活動など上場維持費用の重い負担も軽減できる。

親会社が経営・資金効率を上げるために、本業と関連の薄い事業や子会社・関係会社を売却する際にもMBOが使われる。

これはバブル時に業容を広げ過ぎた日本企業が90年代後半の景気後退に直面した結果行った例が多い。また、買収を回避するためのMBOは自社を敵対的買収から守るために行う。