講演する永濱利廣氏
(写真=ZUU online編集部)

10月4日、都内で開催された「投資の日」記念イベント(日本証券業協会などで構成する証券知識普及プロジェクト主催)の第1部講演で、第一生命経済研究所の主席エコノミスト・永濱利廣氏は、外為市場のドル円は年内に120円後半、日経平均株価は2万1000円まで上昇する見通しを明らかにした。そのうえで「10月は絶好のチャンスとなる」との見解を示している。以下はその要旨である。


VIX指数低下は株価上昇のサイン

世界同時株安の背景として、まず挙げられるのが中国の人民元切り下げである。その後、中国経済は実態以上に悪化しているのではないか、との疑念が追い打ちをかけて世界の株式市場は、この数ヶ月にわたり下げ基調を余儀なくされた。

もっとも、そうした世界同時株安の連鎖も終盤に差し掛かっている可能性が高い。その兆候の一つとして、恐怖指数と呼ばれるVIX指数がピークアウトの気配を示していることに注目したい。夏場に20%後半まで上昇したVIX指数は、ここにきて20%割れをうかがう水準まで低下している。過去の経験則では、VIX指数が通常レベルの10〜20%に低下すると株価は反転上昇する習性があり、この説に従えば今月中に絶好の押目買いチャンスが訪れる公算が大きい。


中国経済は一旦底打ちの可能性

もちろん、中国経済の実態は依然として悪い状態に変わりないが、李克強指数に下げ止まりの兆しが認められ、ひとまず最悪期は脱したと見ることもできる。中国当局の政策効果が顕著となるのは、むしろこれからであり、中国経済は一時的にせよ底打ちに入る可能性が高い。今後は中国の経済指標のなかでも、特に製造業PMI(購買担当者景気指数)が明確な反転を示すかがカギとなろう。