FRBは12月に利上げ実行か

一方、中国と並んで注目されるのが、FRB(連邦準備制度理事会)の金融政策だ。政策決定のポイントは、インフレの安定と雇用の最大化であるが、9月の雇用情勢を鑑みると10月の利上げは、さすがに見送られる可能性が高い。

ただ、いずれは利上げに踏み切るのは間違いないと見られ、遅くとも12月には実行されそうだ。これは為替の円安要因となる。


円安、原油安は日本経済にプラス

ところで、1980年代に原油価格の下落局面でFRBが利上げに踏み切ったとき、ブラジルでデフォルトが発生したことがある。今回も同様のことが起こるかはさておき、新興国通貨の動向からも目が離せない。たとえば、世界有数の鉱物資源の産出国として知られるオーストラリアは、輸出の29.5%が中国向けである。前述の通り、中国経済が最悪期を脱したとしても、早急に需要が回復するわけではないことを考えると、資源価格の低迷が長引くことも考えられよう。

日本経済にとっては、為替の円安、原油など資源価格の低迷は企業業績の追い風となり、株価を押し上げることになろう。加えて、日銀短観の内容が意外と良かったこと、黒田日銀総裁の異次元金融緩和への期待が再燃しつつある状況を考え合わせると、これから年末にかけてドル円で120円後半、日経平均株価で2万1000円まで上昇する可能性がある。従って、最初に述べた通り、今月の安値は押目買いの絶好のチャンスになると考えたい。(ZUU online 編集部)

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