大学まで通しての教育が必要?

「このような現象は特にアメリカの10代に限ったことではない。しかし『アメリカのような経済最先進国で平均のスコアしかでなかった』という結果は問題になりうる」

米ジョージ・ワシントン・ビジネス大学の経済会計学者アナマリア・ルサーディ氏はそう懸念する。経済観念を身につけさせるためには早ければ早いほどいいとし、「学校のカリキュラムに取り入れることがどれほど後に効果を成すかは分からない。しかし例えば成人して社会に出た時、年金制度についての知識があれば50歳になってから慌てるという心配もないはずだ」。義務教育から大学を通してリテラシー教育を受けさせることが、将来的に国の経済に反映されるというわけだ。

知って得する

では消費者が金融リテラシーを学ぶ利点とは具体的にどんなものなのだろう。金融リテラシーを身につけて得をするのは決して投資家や金融業者だけではない。学生や一般の社会人、そして主婦層や年金受領者にも、自分の生活レベルに見合った経済感覚は必要不可欠である。

「お金をどのように手に入れるか」「お金をどのように使うか」「お金をどのように増やすか」という基礎的な質問はあまり深く考えることはないかもしれない。しかし例えば車を1台購入するときにも、「現金で購入するのか、それともローンを組むのか。ローンを組むのであればどのような支払い方法が最適か」というところから始まり、最も安上がりな手段や手っ取り早い手段を選択するのではなく、「自分の生活レベルに見合った手段であるか」という点を考慮に入れて最終決定を下すのが最も賢明な決断といえるだろう。

まとまった資産が手元にあっても健全な管理の仕方や増やし方を知らなければ宝の持ち腐れになりかねない。そればかりか、一切を失ってしまいかねない。お金を賢く流動させることで自身の経済はもちろん、国の経済へ貢献することにもつながるだろう。(ZUU online 編集部)