(写真=HPより)
インターネットで個人と個人をつなげて金銭貸借を行うサービスがピアツーピア(P2P)レンディングだ。要はパーソナルファイナンスの一種のFinTech(フィンテック)だが、SNSの普及拡大で一気に存在感を増している。ここでは海外で注目されているサービス事業者を紹介する。
Zopa「世界で最も古く、欧州最大の英国発サービス」
(写真=HPより)
Zopa(ゾーパ)は2004年、英国ロンドンでインターネット銀行egg出身者たちにより創設されたP2Pレンディング向けマーケットプレイス企業だ。2005年に英国でサービスを始めた。世界で最も古く、欧州で最大規模とされる。従来の金融機関と比べて、借り手は低い金利で資金を調達でき、貸し手は高い利回りが期待できる点が注目を集めた。
信用情報などにもとづき借り手個人を審査して格付けを行う一方、貸し手個人は「どの格付けにいくら」「どのくらいの金利で貸付けを行うか」を決定する。その上で、Zopaが貸付け希望条件にあった借入をネット上でマッチングさせて、借り手と貸し手から手数料(それぞれ貸付額の0.5%)を徴収するというビジネスモデル。
日本にも数年前に進出したが、2015年10月時点で日本語ウェブサイトはなくなっているほか、米国からも撤退している。
Prosper「SECからの取引停止命令乗り越えた総合P2Pレンディングサービス」
(写真=HPより)
Prosper Marketplace(プロスパー・マーケットプレイス)は2005年、米国サンフランシスコで起業家のクリス・ラーセン氏とジョン・ウィッチェル氏により創設されたP2Pレンディング向けマーケットプレイス企業だ。2006年に米国でサービスを始め、Zopaと同様に注目を集めた。個人の借り手が最高2万5000ドル(約230万円)融資を受けられ、個人の貸し手は最低25ドル(約2300円)から融資可能。Zopaと同じビジネスモデルを採用しており、手数料については借り手が貸付額の1%〜2%、貸し手が0.5%〜1%。
2008年に米国証券取引委員会(SEC)から業務取引停止命令を受けるなど、法規制をめぐって厳しい状況に追い込まれた時期があった。SECは同社を融資事業者ではなく、債券を販売する証券会社と同じく規制しようとした。そこでラーセンCEOは新しいP2Pサービスを1930年代につくられた証券法の規制を強引に当てはめようとしていると批判。SEC基準をクリアするために400万ドル費やし、9カ月間休業する羽目となった。現在は、SECより一括登録を受けて、大規模から小規模の投資家まで、融資資金を調達できる仕組みを整えている。
Prosperの出資社の1社であるベンチマーク・キャピタルはZopaにも投資している。