Lending Club「独自の信用審査メカニズムに強み持つ上場企業」
(写真=HPより)
Lending Club(レンディングクラブ) NYSE:LC は2007年、米国サンフランシスコでオラクル出身のルノー・ラプランシュ氏らが共同創設したP2Pレンディングサービス企業。インターネット上で資金の借り手と貸し手を直接つなぐプラットフォームを、SNS大手Facebookのアプリケーションとして提供したのが始まりだ。
オークション形式で貸し手・借り手の双方にメリットのある金利を設定する一方、借り手からスキームの組成に関わるコストを徴収し、貸し手から仲介手数料を徴収するビジネスモデル。小口の資金ニーズを集めて証券化する。仲介業者のいないeマーケットプレイスモデルに加えて、独自のアルゴリズムを利用した信用審査メカニズムが同社の強みだ。つまりは過去データから瞬時に分析してすぐにローンが組めるため、効率がよく透明性が高いサービスといえる。
既に2014年12月、NY証券取引所への上場を果たした。中国アリババの米国でのパートナー企業でもある。
CommonBond「MBA発ベンチャーが生んだ学資ローンサービス」
(写真=HPより)
CommonBond(コモンボンド)は2011年11月、米国ニューヨーク州でペンシルベニア大学ウォートン校のMBA3人によって創設された学資ローン専業のP2Pレンディングサービス企業。ウォートン・ベンチャー・イニシエーション・プログラムの支援下で、卒業生から出資を募り、MBAプログラムの学生向けに学資ローンを提供したのが始まりだ。
欧米では学資ローンへのニーズが高く、相対的に貸し倒れリスクが低いと考えられている。米国証券法501条に規定された適格投資家が学資ローンの貸し手となり、学生向けにP2Pレンディングによる貸付・借換サービスを実現したのが、CommonBondのビジネスモデルだ。2015年現在、大学院生から学部生まで、米国の大学院および学部約2000校が対象となっている。
2000年代半ばに欧米で生まれたP2Pレンディング事業者は、リーマンショックに代表される金融危機のピンチをチャンスに変える形で成長してきた。各社とも利便性プラス透明性の確保がカギといえそうだ。またSECから業務取引停止命令を受けたProsper、同時期に米国から撤退したZopaの例からも分かるとおり、当局の方針に左右される点は悩ましい。 (ZUU online 編集部)