日本株急落のきっかけとなった中国経済の変調

「対岸の火事」と静観してきていた日本人の多くにとっては衝撃だった。8月中旬以降、東京株式市場は、上海株式市場が開く午前10時半に向けて一喜一憂する展開が続いている。

第1のショックは8月11日、中国人民銀行が突然行った2%の人民元切り下げだ。その後13日まで3日間連続で切り下げ、その間の切り下げ幅は4.5%となった。次のショックは、8月18日の上海株価指数の急落から始まった日本株の急落だ。リーマン・ショック後に4兆元超、日本円換算で70兆円規模の景気刺激策を行い、上海株価指数はバブル的な様相を示していたにもかかわらずの急落となった。

この8月の急落以降、中国経済の成長に対する曖昧な期待が消え、中国経済に対する関心が格段に高まった。そこで直面しているのが、中国経済の指標の曖昧さだった。


中国経済指標の信ぴょう性の無さ 注目指標は「李克強指数」

中国はご承知のように共産党一党支配の共産国で、経済及びあらゆるメディア等は自由度が低いと言われており、共産党情報部のチェックが入るという噂もある。真実の数字や実態が表に出ているかどうかという点について、疑念が持たれている状況にある。

そこで注目されているのが、李克強指数である。李克強氏自身が中国経済を見る上で信頼していると語った指標がウィキリークスによって暴露されたことが背景にある。