happy little child, baby girl laughing and playing in autumn
(写真=PIXTA)

投資で得た利益に税金がかからない「少額投資非課税制度(NISA、ニーサ)」が始まり、多くの投資家にこの制度が浸透してきた。この制度では毎年100万円まで非課税で投資を行うことができる。今年のNISA枠を使い切らずに残したままの投資家はいないだろうか。


「低リスク・低リターン」か「高リスク・高リターン」か

NISAがどのような投資商品に向いているのかにはさまざまな意見がある。制度には5年間という期間があることから長期投資に向くという意見もあれば、損益通算ができないため「低リスク・低リターン」の投資に向くという意見もある。

一方で投資額が100万円と限られていることを考えると、「低リスク・低リターン」投資によって得られる利益もあまり大きくなく、結果として節税効果が十分に生かせず、「高リスク・高リターン」の投資にこそ相応しいという意見もある。考え方は投資家の数だけあり、どれも正しいといえる。むしろこのような投資をすべきといった偏見に囚われずに柔軟にNISAを利用することが大切だろう。


10月は「投資の季節」?

米国に「Sell in May, and go away; don't come back until St Leger day. 」というの相場格言がある。直訳すると「5月に売り相場から離れろ。そしてセント・レジャー・デー(9月の第二土曜日)まで戻ってくるな」ということになる。科学的な根拠はない。それが相場格言であり、アノマリー(経験則)であるが、過去のチャートを振り返ってみると、不思議なことにピタリと当てはまるのだ。つまり、もしこれが当てはまるのなら、これからの季節は米国株投資に相応しい時期ということになる。

もちろん、相場の格言が常に正しく、今年もそれが正しいという保証はどこにもない。6月の中国株急落で始まったチャイナショックは世界中の投資家に衝撃を与えた。中国経済の減速は多くの人が認識していた。しかしそのリスクの深刻さを正しく判断できた人はいなかった。米利上げの前に、チャイナショックに巻き込まれた新興国・資源国が音を上げ、リーマンショック後の新興国ブームは終わりを告げた。一方、米国経済も利上げに耐えられるほど強いのか投資家は疑心暗鬼になっている。優柔不断な米連邦準備制度理事会(FOMC)の態度が投資家の不安をかき立て、マーケットにはストレスとマグマがたまっているかのように見える。