Fabric softener with a stack of towels
(写真=PIXTA)

街ですれ違った人の洋服から強い香りを感じたことはないだろうか。くさい訳ではないが、いい香りも強すぎると逆効果だ。ほどよい香りには心身ともに落ち着かせる効果があるが、最近では柔軟剤や水回り用の洗剤にまで「アロマ」がうたわれ、何でもかんでも香りづけしている風潮も感じられる。香りによって体調不良など健康被害を引き起こす人が増えているのも現状だ。過剰な香りづけの危険性について探ってみた。


20世紀初めのフランスが発祥の「アロマテラピー」

アロマとは香りのこと。アロマテラピーという名前を一度は耳にしたことがある人も多いのではないか。アロマテラピーとは、アロマ(香り)+テラピー(療法)を合わせた造語。20世紀初頭にフランスの化学者ガットフォセが実験中の事故で火傷を負った際に、ラベンダーの精油で自らの身体に体験、そしてこの植物療法を「アロマテラピー」と命名したことから始まった。日本では1980年代後半頃から広まり始めた。

花屋の前を通った時に、さわやかな香りに気分が癒されることもあるのではないだろうか。たしかにアロマの香りをかぐことで心の健康を促したり、内分泌腺を刺激してホルモンの分泌を促進させたりする効果が指摘されている。

鼻から香りが入ることで嗅覚神経を通り、脳の真ん中あたりにある大脳辺縁系・視床下部に伝わる。そして視床下部の機能が整い、恒常性を維持することに役立っている。心身のリラックスにつながるものなのだ。


ダウニーのブームから日本でも大手各社が製品発売

2000年台半ばごろ、P&Gの衣類用柔軟仕上げ剤「ダウニー」が輸入されてから人気となった。ダウニーは北中米や東南アジア向けのブランドで、日本では正式展開されていない。こうしたブームを受けて、2008年に花王、P&G、ライオンの大手3社が香りづけ柔軟剤を発売。現在も香りづけ柔軟剤の市場は大きく成長し続けている。

最近では、本来の柔軟剤効果はなく「香りづけ専用」の製品も出ている。消費者のニーズ「柔軟剤のふかふかな効果だけでなく、良い香りが欲しい」から作られたものだ。本来の柔軟剤と合わせてこの「香りづけ専用」の製品を使用することで「自分の好みに合わせた香りを調整できる」ということが消費者に受け入れられたようだ。

また柔軟剤の香りが残りやすい特殊な繊維を使用した「柔軟剤の香りが残る肌着」も発売され、香りを楽しむライフスタイルが急激に広がっている。