アメリカ経済を語る上で欠かせない定番作品
——『ウォール街』(米国公開1987年)

オリバー・ストーン監督、マイケル・ダグラス、チャーリー・シーン主演の名作『ウォール街』(Wall Street)。2010年には続編『ウォール・ストリート』も公開されている。こちらは監督は同じで、ダグラスも出演。『トランスフォーマー』シリーズのシャイア・ラブーフも出演している。

米国の経済と金融を語る上では欠かせない定番作品だ。『ウォール街』は、金融バブルでウォール街が沸騰している時代を背景に、野心に燃える若き証券マンがインサイダー取引の甘い罠に深入りし、成功と挫折を遂げる話だ。ダグラスはアカデミー主演男優賞を受賞している。

続編である『ウォール・ストリート』(WALL STREET: MONEY NEVER SLEEPS)の舞台は、サブライムローン問題やリーマンショックなどで混迷を深めていた金融不況のまっただ中。金融の世界に潜むさまざまな陥穽に翻弄される人間ドラマを描いている。

同時期の金融不況を描いている作品に、マイケル・ムーア監督の『キャピタリズム マネーは踊る』(2009年、CAPITALISM: A LOVE STORY)もある。こちらは金融不況の犯人を執ように追うドキュメンタリーで社会派の色合いが濃い。ムーア監督の主張はやや一方的ではあるが、『ウォール街』シリーズとあわせて見れば、米国経済や金融不況の実態がより立体的に理解できるだろう。

史上最大の企業スキャンダルを追う
——『エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか』(米国公開2006年)

アメリカ史上最大の企業スキャンダル「エンロン事件」を扱ったドキュメンタリー作品『エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか』(ENRON: THE SMARTEST GUYS IN THE ROOM)。当時、売上高約13兆円、全米第7位、世界第16位の巨大企業に急成長したエンロン社が、株価操作、簿外取引、粉飾会計、不正経理などにより、わずか2カ月で倒産した経緯を追う。

巨額の不正経理、不正取引で粉飾決算をしていたことが発覚し、2001年12月に破綻したエンロンショックが題材。負債総額は少なくとも310億ドルとされ、02年7月のワールドコム破綻までは米国史上最大の企業破綻だったという。顧問法律事務所が違法スレスレのプロジェクトや粉飾決算に加担していたことも問題となった。

原作は『FORTUNE』記者による2003年のベストセラー・ノンフィクション小説『The Smartest Guys in the Room』。監督はアレックス・ギブニー。ドキュメンタリーのため、日本で広く知られた有名俳優は出ていない。アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞ノミネート作品。

このスキャンダルのきっかけには、実は大胆なエネルギー政策の規制緩和があった。少々昔の映画だが、電力自由化を目前に控えている日本にとって、参考になる点も多々あるかもしれない。 (ZUU online 編集部)